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#4 ANOBAKA注目のAIスタートアップ解剖〜チェック領域〜

2026.2.20

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ANOBAKAが注目する海外の生成AIスタートアップを取り上げ、生成AIの活用方法から日本市場での応用可能性まで幅広く語っていきます。

今回は下記2社を取り上げました!

Delve
2023 年にMITのAI研究者2名によって共同創業。AIエージェントを活用して企業のコンプライアンス業務を自動化する。
2025年7月にInsight PartnersなどからシリーズAで$32M調達。
▼コーポレートサイト
https://delve.co/

Charta Health
AIを活用して臨床文書のレビュー・検証を行うことでドキュメントチェックを自動化する医療スタートアップ。
2025年7月にBain Capital VenturesなどからシリーズAで$22M調達。
▼コーポレートサイト
https://www.chartahealth.com/

※本記事は2025年7月29日の収録内容をもとに制作しています。そのため、現在の状況とは一部異なる場合があります。

「AIか、それ以外か」若手VCの“テーマ軸”の作り方

萩谷:最近のテーマ軸、悩んでるって言ってたよね。いま何を考えてる?

小林:担当先が15〜16社あって、半分がAIで、残り半分が銭湯やショートドラマ、ドローンなど“AIじゃない側”に振り切れてるんです。「AIかそれ以外か」みたいなコンセプトを出そうかと。

萩谷:めちゃくちゃいいと思う。まずはXのプロフィールをそれにして、いじられるか見たらいい。3年目なら存在感も出していかないとね。

小林:じゃあ金髪ロン毛もセットで検討します(笑)。今日は直近で大型調達したAIスタートアップ2社を、共通テーマ「レビュー/チェック」で紹介します。

なぜ今“レビュー/チェック”が伸びるのか——導入が速い2つの理由

小林:この1〜2年見ていて、単純作業系(コーディング、CSなど)の次に伸びてるのがチェック領域です。理由は大きく2つで、①既存ワークフローを変えずに組み込みやすい、②人がやりたがらない“面倒な仕事”と相性が良い、ですね。

萩谷:生成AIが網羅的に誤りを見つけて、正しく直す。レビューはまさに得意領域だよね。

小林:しかも「仕事を奪う」ではなく「助ける」立ち位置にできるので、導入先の抵抗も相対的に小さくなる感覚があります。

萩谷:ニッチだけど単価も取れるし、エンプラ需要も強い。ホリゾンタルで面白い市場だよね。

DELVE:SOC 2 “毎年発生する面倒”に刺さり、サブスク化できる

萩谷:まず1社目のDELVE、どのあたりをやってる?

小林:情報セキュリティ認証の取得・維持に伴うレビューで、特にSOC 2に注力しています。シリーズAで約50億円規模の調達、顧客は約500社。リードはInside Partnersで、シードではYCが入っています。

萩谷:認証って「一度取ったら終わり」でMRRになりにくい印象もあるけど、継続利用は?

小林:年間契約のサブスクです。SOCは年1回の報告書作成が必須で、書類収集・整形・チェックが毎年発生します。加えて日々の業務でも情報を集めてフォーマットを整えるのでリカーリングになりやすいですね。

萩谷:担当者が少ない割に業務が逼迫してる領域だから、使うと一気に楽になるし、精度も上がる。仕事を奪うというより支援だね。

小林:まさに。導入側の「奪われる」恐怖が小さいことも、スピードにつながってると思います。

Charter Health:米医療の“請求の複雑さ”が11%改善を生む。日本展開は何が鍵か

小林:2社目は医療業界特化の請求レビューをするCharter Healthです。7月にシリーズAで3,010万ドル(約47億円)を調達し、Bain Capitalがリードです。

萩谷:医療は議事録系が多いけど、請求レビューは切り口が違うね。

小林:アメリカは保険会社が多く、診療内容の記録と提出が煩雑になりがちです。導入した医療機関で収益性が平均11%向上した、という数字も出ています。

萩谷:請求コードの取り違い一つで通らないとか、現場の手間が大きい領域だもんね。AIと相性はいい。

小林:実際、足首の捻挫の初回診療で特定のコード、レントゲンで別のコード、というように細かい。数字が少し違うだけでNGになり得るので、取りこぼしを減らす価値が大きいと思います。

萩谷:日本は皆保険で構造が違うけど、人手不足と業務逼迫は強い。まずは中堅・小規模クリニックから入り、周辺業務に広げて単価を上げられるかが鍵になりそうだね。


今回の内容はポッドキャストでも配信しておりますので、詳細の内容を知りたい方はぜひ音声でもお聞きください!

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