こんにちは、インターンの中国人留学生わい(@shiowai1217)です。
最近中国で「盲盒」(BlindBox)が流行っています。なんと私の周りには給料の半分を使って、盲盒を買う人もいます。
POP MARTは「中身が分からない」というところが魅力で、今大ブームとなっています。
今回は盲盒の中で一番人気がある「泡泡玛特」(POPMART)について紹介したいと思います。
POPMARTと人気キャラクターMollyとは?
POPMARTは2010年に設立され、最初は今の下北沢にあるお店のようにレンタルショーケースという形で運営してました。2014年、日本のSonny Angelでの販売をきっかけに、おもちゃと自社IP開発に注力しました。
そして2016年、香港デザイナーKennyさんがデザインしたキャラクタMollyを起用し、POPMARTが販売を始め、一気にヒット商品になりました。
Mollyはコンテンツの派生商品ではなく、完全にオリジナル商品です。香港の文化が好きな中国人の中ではかなり人気があります。
当時、デザイントイはまだ一般的になじみのない概念でしたが、POP MARTは国内市場での十分な成長ポテンシャルを見込み、MOLLYは同社が売り出す初のIPコンテンツに選ばれています。
POPMARTは元々、電子製品、文房具、おもちゃなど総合ショップとして様々なものを売っていました。その中でも、おもちゃの売上が一番高くユーザーの中に話題になりました。
しかし、当時POPMART販売したおもちゃは大体手作業で制作したデザインおもちゃで、市場での長期な販売が可能になるSKUが少ないという状況でした。
商品の安定供給を目指したPOPMARTは自社の状況を分析して、中身が見えない「盲盒」を採用し、コストを抑えるためにパッケージを統一して生産しました。
初リリース商品「黄道十二星座シリーズ」はタオバオのブランド販売サイト「Tモール」(天猫)で4秒で完売する大ヒット商品になりました。
また、盲盒のおもちゃにはとある法則があります。そのルールはシリーズを分けて販売するというものです。例えば、春節シリーズ、新学期シリーズなどです。
毎シリーズは12種類があります。ユーザーの購買力を引き出すために、毎シリーズごとに公開されない「隠し」種類一つがあって、大人買いしたら隠しが出るかもしれません。
創業者Wangさんによると、ユーザーの毎回の購入行動は「おもちゃを買うために」ではなく、「箱を買って開ける期待感と開けてからの満足感を取る」ということのようです。そうすることで、ユーザーは商品に対して感情を注ぐので、この感情の価値は商品元々の価値を超えるかもしれません。いわゆる、「買う」より「おもちゃ」自身はもっと価値があります。
しかし、盲盒では複数同じものを買ってしまう可能性が高いです。その場合、ユーザーはwechatでチャットグループを作って、その中に自分が買ったもの、欲しいものなど情報交換します。
毎回新品リリース時にユーザーもチャット内で交流して購入します。こういう自然にできた交流場所のおかげでPOPMART側からしてもおもちゃにソーシャル要素が加わり顧客ロイヤリティが高くなります。
若い女性に人気
「中国国民は長時間労働と低賃金に苦しみ、手の届かない住宅価格に直面している。そのため、安価な娯楽を求めている」と。中国市場調査グループのマネージング·ディレクター、ショーン·レインさんは「中国の若者はデスクや自宅を飾るかわいいアイテムを好む傾向にある」と述べました。
POPMARTは中国のほかに21カ国で商品を販売しています。顧客のほとんどは18歳から35歳で、75%は女性です。
中国ネット通販大手·アリババ集団のネット通販サイト「Tモール」(天猫)の報告書によると、同国のミレニアル世代はデザイナーシューズやeスポーツといったほかの娯楽よりも、中身が見えないPOPMARTのおもちゃにお金を使っているようです。
Mollyの成功の道
MollyはPOPMARTの不動のエースになりました。POPMARTのオフライン店でも、Mollyは一番目立つなところに置いています。
POPMARTの関係者によると、Mollyの成功は偶然性があります。2016年1月、Wangさんはweiboでみんなの好きなIPをアンケートして、半分以上の人が「Molly」を選びました。その後、Wangさんは市場調査など展開して、最終的にMollyのデザイナーKennyさんと連携して、発売しました。
デザイナーはデザイン製品のアイディアがありますが、資金、サプライチェーンなどがないので、大規模で規格化生産は不可能です。
POPMARTはこの問題を全部解決できます。そして、Kennyさんはデザインプロデューサー、POPMARTは生産から販売までという役割をし、ビジネスが成立します。
過去のPOPMARTはサプライチェーンの経験がほぼゼロだったので、最初工場との打ち合わせ、工場に渡すデザインの修正期間、SKUなど問題を生じました。ですが、このようなプロセスはPOPMART独自のものなので、このプロセスが競合優位性となりPOPMARTは成長しました。
今のPOPMART社内は、デザインとの連携システムで構成されています。この内部には100人くらいのデザイナーアシスタントがいて、普段は担当デザイナーの商品開発を提案から生産までやり、デザイナーはデザインだけに注力して良いようになっています。
POPMARTの売り場
創業以来、POPMARTのメイン売り場は基本的にオフラインです。特に繁華街のショッピングモールの中に、よく金色看板のPOPMARTのお店を見られます。
POPMARTの目論見書によると、中国で今114軒お店があり、日本でいう新宿のような都市部で開店しています。同時に、同社は海外市場にもターゲットを据え、2018年下半期には韓国とシンガポールに合弁会社を設立しています。
韓国ではすでにチェーン店数十社での販売を開始して、自社による店舗開設も計画中。さらに今年4月には欧州のパートナーとも契約を締結し、7月にフランスを皮切りにヨーロッパ市場へ正式に進出しました。
ただ、海外の安全検査規格や出荷から販売までの所要日数は中国とは異なるため、さまざまな内部調整が求められています。
また各国で好まれるフィギュアのデザインには違いがあり、ニーズに沿った商品開発が欠かせないです。
お店の数を拡張するだけではなくて、「POPMART自販機」も都市で大量に出ています。2019年、自販機の数は825個があり、40億円の売上でした。この売上のデータは今後どこに開店するのを参考にできます。
もちろん、オンラインの売上も注目されています。2019年wechatのミニプログラム(ミニアプリ)で売上は45億円くらいがあります。
大人にとって、おもちゃは基本的には衝動買いのケースが多いです。都市部で販売することはさらにこの衝動買いを伸びます。子供時代でカード、ステッカーのために駄菓子を買う時に同じ気持ちです。
次のMollyは見つかるのか
3年くらいの販売経験で、POPMARTは商品開発の流れを把握して、人気IPは年に6~8くらいのシリーズ、普通IPは年に2~4シリーズというスピードで販売しています。毎シリーズの準備時間は1年くらいかかります。
また、POPMARTは世界中にデザイナーを探して専属契約でIPを見つかります。今は20人くらいのデザイナーが所属して、店内80%の商品は自社IPから開発したものです。
関係者により、POPMARTは常に新しいスタイルの商品を生産しています。仮にMollyのファンではなくても、POPMARTでディズニー、Pucky Pool Babiesなど他のキャラクタを提供しています。
POPMARTは新しいIPを作ったり、海外進出しています。将来、ディズニーなど人気キャラクタのぬいぐるみに代わり、世界中に愛される人気コレクションになるかもしれません。
POPMARTのような事業を考えている人がいればぜひディスカッションしましょう!
DMお待ちしています!
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