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【イベントレポート】シードVC×スタートアップ3社で語る 爆速シリーズA勉強会

2023.4.18

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ANOBAKAアソシエイトの小田です。

2023年4月11日に行われた『シードVC×スタートアップ3社で語る 爆速シリーズA勉強会』のイベントレポートをお届けします。

決してポジティブとは言えないマーケット環境の中、爆速でシリーズAの資金調達に成功したスタートアップ3社の代表をお迎えし、その秘訣を語って頂きました。

登壇者は、株式会社BALLAS 木村 将之氏、SOZOW株式会社 小助川 将氏、Cross Border株式会社 小笠原 羽恭氏、株式会社ANOBAKA 松永 和彰です。

登壇者紹介

施工会社向け特注建設部材の調達サービス「BALLAS」代表
木村氏2022年3月にシード調達を実施し、2023年2月にシリーズAで11.6億円を資金調達

オンライン習い事 / フリースクールサービス「SOZOW」代表 小助川氏
2020年10月にシード調達を実施し、2022年10月にシリーズAで4.3億円を資金調達

あなたの商品を欲しい顧客が見つかるセールスインテリジェンス「Sales Marker」代表 小笠原氏
2022年2月にシード調達を実施し、2023年2月にシリーズAで数億円を資金調達

パネルディスカッション

① シード調達時に描いていたエクイティストーリー・事業計画通りに事業は進捗した?

BALLAS社 木村氏
起業して約3ヶ月後のタイミングでシードの資金調達を実施しました。
エクイティストーリーは途中で変えておらず、当初の構想通りに事業を進めています。
一方、事業計画は当初想定よりも若干下振れをさせる意思決定をしました。
バケツの底に穴が空いた状態でのスケールに意味がないと判断し、サービスの品質を高めることを優先しました。

SOZOW社 小助川氏
シードのタイミングで想定していた計画値より、実際の事業進捗は下振れしました。一方、ローンチしたサービスを通じて熱狂的なファンのユーザーが獲得できました。ユーザーインタビューを通じ、当初の計画だと1~2年後にローンチ予定にしていたサービスのローンチを前倒しにし、そのサービスでトラクションを産むことができました。

Cross Border社 小笠原氏
法人設立から約6ヶ月後のタイミングで、シードの資金調達を実施しました。
その後のプロダクトローンチから多くの企業でサービス導入が進み、当初想定の約3倍のスピード感で事業が進捗するなど、事業進捗の予測は良い方に外れました。顧客の課題特定を徹底し、プロダクトのバリュープロポジションを磨き込んだことが要因だと捉えています。

② いつの時期からシリーズAの調達に動き出した?

BALLAS社 木村氏
動き出してから5~6ヶ月で調達を達成しました。
事業性質上、サービスグロースに多額のお金がかかるため、できる限り大きな額を調達することを目的にエクイティでの調達を目指していました。
また、シリーズAのタイミングではデッドは活用していないです。
シードの資金調達時に日本政策金融公庫からの融資を受けましたが「エクイティ調達とデッド調達の手法が大きく異なる」ことを痛感し、行動コストが非常に高いと感じたためです。

SOZOW社 小助川氏
教育ビジネスは4月にトラクションが増えやすいという性質があるため、2022年5月ごろから動き出し、10月に達成しました。
2022年5月時点でのランウェイにはまだ余裕がありましたが、事業進捗を加速させたい意図と、市況感が更に悪化する予測があったため、早めに動きました。
また、シード・シリーズA双方ともで、デッドでも相当額の調達をしています。エクイティとデッドで手法が異なるため行動のコストが高くなる、というのは木村さんも言及の通り間違いないです。
一方過去の経験上、市況感の悪化局面でキャッシュを獲得する難しさや、銀行からの信頼を蓄積する重要度を理解しているため、デッドの活用にも積極的でした。

Cross Border社 小笠原氏
シードの調達から1年後にシリーズAの調達をクローズする目標だったため、シード調達の6ヶ月後から動きました。
シリーズAで参加いただく投資家を誰にするかは大事だと思うので、期間を少し長めにとりました。
月次で売上は急伸していましたが、バリュエーションは資金調達完了の6ヶ月前の売上に付くので、その調整をするのに苦労しました。
結局は6ヶ月後の売上目標を前倒しで達成することで、投資家にバリュエーションの交渉をしました。
事業進捗のスピード感を評価された側面もあったので、調達には早めに動いておいて良かったと思っています。

③ シリーズAの資金調達の方法は?

BALLAS社 木村氏
シード投資家へ相談し、実際に紹介をしてもらいました。
現在、シード期を含め9社に入って貰っていますが、シリーズAのタイミングでちゃんとピッチをしたのは20社程度です。シードの投資家がスクリーニングの上で紹介をしてくれたので、それを踏まえて精度高く当たることができました。

SOZOW社 小助川氏
主には、シード投資家へ相談しながらプランを立て、候補を紹介してもらいました。シリーズAで10社に入ってもらっていますが、ピッチは20社弱にしか行いませんでした。
シード投資家からの紹介が6割、ピッチイベントなどで接点を持ったのが4割程度です。
B-DASHやICCのピッチ後に投資検討の引き合いが激増したので、ピッチイベントの重要性を肌で感じました。

Cross Border社 小笠原氏
シード投資家とピッチからの引き合いのハイブリッドで進めました。
事業会社へサービスの営業をする中でも、投資検討の引き合いもありました。
ピッチイベントは3つ出て、イベント経由で約40社から投資検討の引き合いを頂きました。

④ シリーズAの資金調達活動を振り返って、成功した決め手は?

BALLAS社 木村氏
事業が仮説通りに進み、なおかつ数字をあげることができたことが決め手でした。
サービスに対する顧客の反応が良かったこと、リード投資家候補へのピッチの反応が良かったことで自信を深めることができました。
仮説通りに事業が検証でき、売上数字がしっかり作れていたことがリード投資家の良い反応に繋がったと振り返っています。

SOZOW社 小助川氏
1回1回のピッチ毎にPDCAを回し、投資家の見積もる自社の適正なバリュエーションと、刺さるピッチの内容について解像度を上げられたことが良かったです。
株式マーケットがバブルだった時にハイバリュエーションでピッチを周っていましたが、バリュエーションで厳しいと言われることが多かったので、早いタイミングでバリュエーションを調整して投資家を周り直しました。投資家の見積もるバリュエーションは本音ベースで早めに聞いてみたほうがいいです。

Cross Border社 小笠原氏
事業でトラクションを作れたことが明確な決め手でした。
最初にプロダクトをローンチする際に顧客のバーニングニーズを捉え、適切なプロダクトを作ったことが最も大きな要因だと思っています。

シード起業家、起業志望者へのメッセージ / アドバイス

BALLAS社 木村氏
起業してからの1年間を振り返ると、365日24時間ずっと仕事のことを考えて行動した実感があります。それが非常に楽しくて「命を燃やして生きてるな!」という感覚を持ちました。起業は生きる喜びを味わう最良の手段の1つだと思います。最近は無担保で借入ができる環境なども整っており、起業のリスクはかなり小さくなっています。自分のやりたいことを突き詰めて、果敢にチャレンジしてほしいです。

SOZOW社 小助川氏
自分の場合は最初に描いていた事業計画通りに事業が進捗しないなど、困難の連続でした。一方、ビジョンに忠実に行動することで、いい出会いやヒントを得ることができました。
景気後退など厳しい局面でもありますが、スタートアップ元年で、金融機関からの風当たりもマイルドになるなど、起業家にとっての追い風もあります。
行動しないと何も始まらないので、一歩を踏み出すことが大切だと思っています。

Cross Border社 小笠原氏
3つあります。まずはプロダクトのバリュープロポジションを確立することが大切です。顧客にお金を払ってでも使ってもらえるプロダクトを作りましょう。
2つ目は最初からいい仲間を集めることが大切です。それぞれ違う強みをもった良い仲間が必要です。
最後は、自分たちの立ち位置を明確にしながら熱中して事業を進めることです。
「起業の科学」などの書籍に書かれているPMFまでのステップに忠実に、熱を持ちながらも進捗を俯瞰で見つつ事業を進めることが大切です。

終わりに

最後までお読みいただきありがとうございました。

3社3様の回答があった質問、回答に共通点の多かった質問など、質問テーマによって傾向が異なりましたね!本レポートが、少しでも起業家の皆様のお役に立てれば幸いです。

最後に、ANOBAKAでは「一緒に出よう!ANOBAKA Pitch」という、創業前・創業1年以内のスタートアップ向けの支援プログラムを開催します。最大5社の採択企業に対して、半年間の無料オフィスプラン(登記可)・投資家150名との非公開ネットワーキングイベントへの参加・ANOBAKAからの出資検討など多数の支援施策を実施します。

本イベントでも資金調達における「ピッチイベントの重要性」について語って頂きましたが、シードの資金調達を検討される起業家の皆様にとって、ピッチを通じたいい出会いを創出できればと思いますので、是非奮ってご参加ください!

エントリー方法など、詳細は下記をご確認ください。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000056016.html

改めて、本イベントの登壇企業・参加者の皆様、お忙しい中ご来場頂きありがとうございました!

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