こんにちは!ANOBAKAの森永です。
5月17日に豪華な登壇者をお呼びし開催された「グローバルC向けサービス成長の秘訣」のイベントに関してみなさんにお届けしたいと思います!
今回はC向けサービスにて、グローバルを舞台に事業経験をされている豪華な3名の方に登壇者としてお越しいただきました。
会場には、これからグローバルに向けて事業展開を考えているC向けサービスの起業家が数多く集まり、イベント終盤のFAQのセッションでは登壇者3名へのご質問が鳴り止まず、時間が足りなくなってしまうほどの熱狂ぶりでした!!
ご登壇者紹介
株式会社TimeTree 代表取締役社長 / CEO
深川 泰斗 氏
元スマートニュース執行役員/元mixi COO
川崎 裕一 氏
SOUNDRAW株式会社 創業者兼代表取締役
楠 大吾 氏
イベントの様子
3名の自己紹介が終わり、イベントが始まりました!
イベントでは、主に以下の2つのテーマについてお話いただきました。
- 各サービスの成長の秘訣について
- グローバル展開をどう進めたのか
リアルな数値や失敗談なども赤裸々に語っていただき、参加者のメモを取る手が止まりません!
当日、参加が出来なかった方もいらっしゃるかと思いますので、それぞれのテーマでお話いただいた内容を一部みなさんにもお伝えさせていただきます!
各サービスの成長の秘訣について
萩谷:では、早速なのですが、各サービスの成長の秘訣についていきなり聞いていこうかなと思うんですけどTimeTreeの深川さん、グローバルで5500万ユーザーいらっしゃいますが、秘訣教えていただけますか?
深川さん:まず国内ではカレンダーをグループでシェアできるというコンセプトでサービスを出しました。特に家族間での利用で強いリテンションが出ていました。では、海外で伸びたきっかけは何だったかというと、App Storeでフィーチャーされたことが大きなきっかけでした。当時はApp Storeの影響力が強かったので、フィーチャーされたことがきっかけでグローバルでの認知が高まりました。その当時Appleが推したいデバイス、例えばApple Watchなどの機能に対応するサービスを率先して作ったことでApp Storeで取り上げてもらえました。
またサービスのリテンションを高めるためには、アプリをインストールしてからカレンダー共有までユーザーが辿り着けるかということが大きなポイントでした。そこでアプリのインストール後にカレンダー共有のためにユーザー招待をさせる機能を用意していたのですが、その際に立ち上げるメッセージングアプリは国別でリサーチして、各国で一番使われているアプリを採用していましたね。例えば韓国ならカカオトークを表示するように。
萩谷:なるほどですね!最初のきっかけとしてはApp Storeでリリースしフィーチャーされたことでグローバルユーザーの獲得に繋がったのですね。インストール後、まずカレンダー共有させるっていう行動が大事っていうのも面白いです!次に川崎さん、スマートニュースについてもお聞きできますか?
川崎さん : はい。スマートニュースは2012年創業なのですが、僕が入社したのは2014年でした。当時からスマートニュースのプロダクトとしてのリテンションの数値は素晴らしかったんです。サービスとして習慣化していると感じました。なので、安心してスマートニュースに入社することができましたね。そして僕はスマートニュースアドを立ち上げて、売上を作っていきました。やはりお金儲けを考える時に、「プロダクトが良い」というのは大事なポイントで。僕はプロダクトマーケットフィット(PMF)の定義を「ある特定の顧客の問題を解決した状態」と定義しているのですが、プロダクトマネタイゼーションフィットという観点も重要だと考えています。スタートアップはお金儲けができるプロダクトを作ることにもっと投資すべきだと思うんですよね。To Cサービスはグロースに目が行きがちで、もちろんグロースは重要なのですがプロダクトがマネタイゼーションしているのかっていうポイントを忘れてはいけないですよね。多くのスタートアップって自社で広告のシステムを作らずにgoogleとかmetaとかxとかその他のアドネットワークに接続して収益上げようとするじゃないですか。そうではなくて、自社で売る体制を構築しないと利益率は下がり、コントロールもプラットフォーム側に支配されてしまう。
萩谷:確かにそうですね!スマートニュースは、自社でアドネットワークを早い時期から開始していましたよね。では、最後に楠さん、SOUNDRAWではサービスが伸びたと感じた瞬間はどのような感じでしたか?
楠さん : まさにおっしゃる通りで、良いプロダクトじゃないと市場に受け入れられないっていう思いが非常に強かったです。コンセプトはAIで楽曲を生成するということなのですが、人間が楽曲制作するレベルのクオリティまでいかないと伸びないと感じていました。開発を繰り返し2年後。クリエーターの方に人間が作った曲とSOUNDRAWのAIが作った曲をそれぞれ分からないようにして10段階でクオリティの評価してもらったのですが、その時にスコアが同点だったんです。それでいけるかも!って思い、デザインにもこだわって初期から英語をベースにして出してみたら割と課金してくださる方がいらっしゃいました。タイミングよくChat GPTの波が来て大きく伸びたのですが、事前にインフルエンサー施策やSEO対策ができていたことでその波にしっかり乗ることができました。
萩谷 : 最初からもうグローバルっていう意識でもう全部英語でサイト作ってたんですね!さすがです!
グローバル展開をどう進めてきたか
萩谷 : 先ほど、事業とグローバル展開についても少し触れていただきましたが、より詳しく聞いていきたいと思います。川崎さん、スマートニュースってグローバル展開の進め方とかってどのような感じだったのですか?
川崎さん : 入社した2014年には、経営メンバーの中で「もうグローバルやるに決まってるよね」という雰囲気だったので議論もなかったです。まだ国内でもこれからっていうタイミングでした。でもグローバルをやる決断って、ある種やりたいからやるっていうような非合理な考えじゃないとやれないのかなって感じます。英語ができたらやろうとか人脈ができたらやろうとか繋がりできたらやろうとか。そういうことじゃないですよね。やるって決めたらやるだけです!あと、グローバル展開の際にアメリカってとても大事な市場だと思うんですよ。アメリカやってて気づいたんですが、アメリカってまるで一つの国ではないんですよね。州によって、全然法律も違うし受け入れられるコンテンツも全く違います。州ごとに全然違うカルチャーと人種がいて。均一性が日本でいう都道府県と同じようなレベルじゃないっていう認識を持ってアメリカでは展開しないとダメですね。
萩谷 : なるほど。それは難しいポイントですね。深川さん、TimeTreeはいかがでしたか?スマートニュースのようにコンテンツを届けるサービスではないと思うのですが、どのように初期はグローバルで展開していったのですか?
深川さん : 泥臭く展開を進めていました。カレンダー共有って生活に強く根付いているので、各国の状況に合わせてローカライズしていました。例えば、ドイツではカレンダーにウィークナンバーが記載されていたり、アメリカの時間表記はAM/PMで表記されたりと少しずつ違う点がありますよね。また各国のユーザーさんにインタビューをして、サービスを使った事例写真をもらって事例コンテンツをアプリの中で出していく。そんなことをしながら、海外のユーザーの方に「私もこのサービスを使っていいんだ」って認識してもらうように努めていました。あと、海外でサービスがとても跳ねたきっかけとしてインフルエンサーがTiktokでTimeTreeを紹介したことがありました。その後、インフルエンサーの方にインタビューして最終的にはインターンとしてTimeTreeのTiktok運用をお願いすることになりました。
萩谷 : それすごいです!インタビューしてそのまま仲間にしちゃうのがすごいです!SOUNDRAWもユーザーの海外比率高いですが、どのように展開で工夫したんですか?
楠さん : 海外のYoutuberに依頼し、SOUNDRAWの使い方などを動画上で紹介してもらっていました。そのようにサービスをレビューしてもらってユーザーを獲得するっていうのを地道にやっていました。依頼するYoutuberを選ぶ際に、チャンネル登録者数も大事なんですけど平均再生回数やコメント数などエンゲージメントが高そうな方に依頼していましたね。あと、ブランディングも海外のユーザーが安心して使えるようにしないといけないと思ったので、自社のYoutubeチャンネルをロサンゼルスで撮影したりして、「俺たちの会社はロサンゼルスにあるんだぞ!」みたいに見せたりしましたね。日本の会社なんですけど。(笑)
萩谷 : 面白いです(笑) でもそういう地味なのも大事かもしれないですね!
交流会の様子
セッション終了後は登壇者との名刺交換&交流会です。
交流会では登壇者のみではなく、グローバルでC向けサービスを目指す起業家同士の交流も数多く見られました。
参加いただいた起業家からも、
- 学びが多くて、参加してとてもよかった!
- 神回だった!
- C向けサービスについて濃い内容で最高すぎる回でした!
というような感想をいただきました!
改めまして、今回ご登壇いただいた深川さん、川崎さん、楠さん、そしてご参加いただいた起業家のみなさんありがとうございました!
今後もANOBAKAでは、このようなイベントをたくさん企画していきますので、みなさんのご参加お待ちしております!