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#6 生成AI時代の業界特化ERPを狙うAuthentic AIの挑戦に迫る!

2026.2.20

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今回は、クリエイティブ業界に特化した生成AIプラットフォーム「Maison AI」を展開するAuthentic AIの上田徹代表をお招きし、業界特化のAIと汎用AIというトピックに関してお伺いしました!

※本記事は2025年10月9日の収録内容をもとに制作しています。そのため、現在の状況とは一部異なる場合があります。

◼︎ゲストプロフィール

上田徹(株式会社AuthenticAI / 株式会社OpenFashion 代表取締役 CEO)
ファッション販売員やWebデザイナー、Webエンジニアなどを経験したのち、2014年に株式会社オムニス(現・株式会社OpenFashion)を設立。ファッションレンタルサービスSUSTINA(サスティナ)を立ち上げた後に2018年には株式会社ワールドのグループに参画。同社のテクニカルアドバイザーとVice president of technologyを務め、現在はファッションと、生成AIをはじめとした最新テクノロジーをかけ合わせたサービスの開発に取り組んでいる。生成AI活用支援ツール「Maison AI(メゾンエーアイ)」をリリースしたほか、国内最大規模の生成AIイベント「生成AIカンファレンス」に登壇するなど、講演やイベントの開催を通してファッション業界への生成AI普及や啓発も積極的に行っている。東京ファッションデザイナー協議会(CFD TOKYO)理事及び同協議会のAI部会長を務める。2024年には株式会社AuthenticAI(オーセンティックエーアイ)を設立。同社の代表も務める。

アパレル起点の代表が、企業向け生成AIプラットフォームに至るまで

——まず自己紹介と、事業の概要をお願いします
オーセンティックAI代表の上田です。文章や画像など、複数の生成AIを企業で使えるプラットフォーム「Maison AI」を運営しています。

——上田さんのキャリアはどんな歩みでしたか
高校卒業後にアパレル販売員を数年やって、その後はITで、Webディレクター、Webデザイン、Webエンジニアなどを経験してきました。メインはディレクション寄りです。

——今のお客様は、やはりアパレルが多いのでしょうか
半分くらいがアパレルです。残りはバッグ、アクセサリー、インテリアなど、近い領域が多いですね。

——会社設立とプロダクト開始の時期を整理すると?
Authentic AI社の設立は2024年11月ですが、Maison AI自体はそれ以前から取り組んでいました。

「推論モデル」で潮目が変わった——利用が“高度業務”へ一気に拡大

——AIの進化で「これは潮目が変わった」と感じたのはどこですか
一番大きかったのは推論モデルです。o1/o3やGemini 2.5 Proの進化が大きいと感じています。

——使われ方も、数字として変化がありましたか
あります。あるクライアントで文章利用量が月単位で大きく伸びました。特にGemini 2.5 Proは、速度・コスト・能力のバランスが良く、商用化に成功した推論モデルだと見ています。

——なぜ推論モデルで利用が広がったのでしょう
推論モデル以前は「ちょっとしたライティング」が中心で、手入れが必要な場面が多かったです。推論モデルになると、経営や高度な分析、アパレルで言えばブランドディレクターやマーチャンダイザー、ECアナリスト、インスタ戦略や企画など、より高度な職種まで一気に広げられました。

——受け手側(顧客)の変化はどう見ていますか
今年に入って、特に春頃から顧客の熱量が急激に上がって「やらなきゃ」というマインドが強まった印象です。一方で、私たちの領域は画像生成も絡むので、テキストほど画像の進化が速くないという現場感もあります。

「線」ではなく「面」で押さえる——エージェントプラットフォームとしての設計

——Maison AIの提供価値は、どこにありますか
職種別のエージェントが並び、あらかじめシステムプロンプトに組み込まれた“振る舞いを知っている人”と話せるような形です。AIの性能変化に合わせて、提供範囲そのものが変わっていく設計です。

——システムプロンプトは、誰が作るのですか
「AIエージェントを作るAIエージェント」がいて、基本はそいつが作ります。ただ、システムプロンプト自体は難易度が上がっているので、私たちもサポートは入れています。

——画像生成の課題感はどこにありますか
一貫性です。生成AIを通すと顔が変わったり、ロゴやプリント文字が微妙に崩れたりして、長らく「使えない」という烙印を押されがちでした。

——最近の変遷をどう捉えていますか
最初は画像生成が入口で、次に商品説明文などでGPT-4を使う時期が続きました。今年に入ってGemini 2.5 Proで高度職種がカバーでき、さらに画像側でも変化が出てきた、という流れです。

「手元のGeminiとどう戦うか」——競争と未来、そして採用

——SaaS的に「特定ワークフローを一本で押さえる」難しさは感じますか
感じます。モデルの進化で「手元のGeminiやGPTでできる」と言われたときに、線で押さえたワークフローは飲まれやすい。だから面にして、さらに立体にしていく発想が必要だと思っています。

——ChatGPT側が巨大化して立体的に取っていく可能性は?
最近のエージェントビルダーも触りましたが、作るのはかなり難しかったです。一般の人が大量にエージェントを作って配備し、メンテナンスまで回すのは簡単ではない。その難しさ自体が、私たちの領域だと見ています。

——ただ、エージェントが増えると「ユーザーがユーザーでなくなる」とも話していました
一人一エージェントの時代は、事業部内でユーザーが操作して成立しますが、十体・二十体のスーパーエージェントになると、作れるのか、保守できるのか、という別の壁にぶつかる。シンプルさが失われるジレンマが出ます。

——その中で、今後どんな人を採用したいですか
いまはコンサルティングとエンジニアリングを探しています。AIのワークフローを設計できるような経験・経歴を持つ方に来てほしいです。


今回の内容はポッドキャストでも配信しておりますので、詳細の内容を知りたい方はぜひ音声でもお聞きください!

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