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スポーツテック領域で注目の海外スタートアップ3選

2021.2.15

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こんにちは!ANOBAKAのたかはしゆうじ( @jyouj__ )です。


みなさんスポーツしてますか?自粛で体が鈍っている人も多いことでしょう。たまにはリフレッシュ目的で一人でランニングしたり、ジムに行ったりするのもいいかもしれませんね。


さてさて、そんなスポーツなのですが、近年テクノロジーによって大きく変わっています。今までになかったような体験ができるようになったり、効率よく体づくりを行えるようになってきているのです。


今回はスポーツテック領域で注目されている海外スタートアップを3つ取り上げてみました!

目次
1. WHOOP – トレーニングを最適化するウェアラブルデバイス
2. Veo – 自動撮影カメラと分析プラットフォームの”SaaS + a box”
3. Eversports – スポーツジムの予約サイト&小規模ジム管理SaaS


1. WHOOP – トレーニングを最適化するウェアラブルデバイス

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(WHOOP)

会社概要
拠点: アメリカ
設立年: 2012年
累計調達額: 約2.05億ドル

最初に取り上げるのはアメリカの「WHOOPです。ユニコーン企業の一つとして大いに注目されているスタートアップです。

WHOOPはウェアラブルデバイスとそれに紐づけられたスマホアプリ、サブスクリプション型のメンバーシッププログラムを提供しています。プログラムに加入していると、WHOOPのウェアラブルデバイス「WHOOP Strap」は無料で提供されます。


“WHOOP Strap”は心拍数などの生理学的指標に重点を置き、24時間年中無休で読み取ってくれるスマートリストバンドです。防水で、充電満タンで5日間は持つので、毎日取り外す必要はありません。

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(WHOOP Strap)

デザインもスタイリッシュでカッコよく、好きな色を選べるのでオシャレアイテムとしても映えます。


“WHOOP Strap”で収集された個人の健康データは紐づけられたアプリで分析されます。睡眠や回復、負荷に着目しています。身体を強くするのはジムに行っているときだけではありません。その人に合った睡眠・回復期間を経ることで強くなるのです。

WHOOPは読み取ったデータから翌日のパフォーマンスを最大化できる睡眠量を提案します。もちろん科学的な根拠に基づいてです。WHOOPの睡眠時の呼吸の測定はかなり正確であることがアリゾナ大学の研究からも判明しています。

また、身体がどれだけ回復しているかをパーソナライズして分析できます。心拍変動、安静時の心拍数、睡眠、呼吸数の4つの生理学的指標を元に計算します。この回復の度合いをもとに、その時のトレーニングの質と量を提案してくれるのです。

さらにはどれほど疲れているかも測定します。常にStrapを着用しているので、運動中や休憩中、睡眠中などどの時間も常にフィードバックを確認できます。負荷を分析し、回復度合いを参考に最適なトレーニングを提案します。行き過ぎたトレーニングは逆に身体にダメージがありますからね。


WHOOPの読み取り性能の正確さは上でも述べました。そのため、WHOOP Strapを使えば呼吸活動の異常さからコロナウイルスを検知できるのではないかという研究が行われました。

WHOOPはデータドリブンな身体能力の向上を持たらすことからアスリートだけでなく一般のユーザーも使うマス向けのプロダクトになっています

ユーザー数は一年で5倍に増え、年間収益は380%以上の増加を見せています(2020年11月のインタビュー記事より)。300人を超える組織規模となり急成長を迎えています。

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(SportTechieより)

同社は2012年にハーバード大学のWill AhmedとJohn Capodilupo、Aurelian Nicolaeによって設立されました。Willは大学で人体について興味を持ち、300以上の医学論文を読み漁っていたようです。Johnはハーバード大で数学や統計の勉強をしていました。そして、Aurelianは機械の開発やプログラミングに才を発揮していました。理想的なスキルセットを持った創業メンバーです。

2020年10月のシリーズEの調達を持って評価額12億ドルとなり、ユニコーンの地位につきました。累計調達額は約2億ドルです。シリーズEはIVPがリードでSoftbank Vision Fundなども参加しています。

また、WHOOPの株主にはアメフト選手Larry Fitzgeraldをはじめとしてスポーツ選手が多いというのも特徴です。多くのアスリートからの支持を獲得していることが伺えます。


GoogleがFitbitを買収したり、AmazonがWHOOPに対抗したウェアラブルデバイスを投入したりと競争は熾烈となっています。巨大プラットフォームも注目しているテクノロジー×ヘルスの領域でWHOOPは地位を不動のものにできるのでしょうか。


2. Veo – 自動撮影カメラと分析プラットフォームの”SaaS + a box”

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(Veo Camera)

会社概要
拠点: デンマーク
設立年: 2015年
累計調達額: 約3310万ドル

次に取り上げるのがデンマークに本社を置くスタートアップ「Veoです。


Veoはカメラマンなしでスポーツチームの試合や動きを記録し、分析できるソリューションを提供しています。

Veoのプロダクトは2つの4Kレンズを備えた180°カメラとその記録を分析してくれるAIプラットフォームです。マネタイズはカメラの本体価格とプラットフォームのサブスク課金という形をとっています。いわゆるフィットネススタートアップのPelotonに代表される「SaaS + a box」です。


Veoのカメラはとても高性能です。あらゆる気象条件に囚われません。また、撮影場所が屋内か屋外かどうかも気にしません。それでいて、重量は1kg未満という驚くべき軽量さです。

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(Veo Platform)

ハードウェアとしての完成度も評判ですが、Veoの特筆すべきはそのソフトウェアプラットフォームの優秀さです。

Veoのカメラで撮った記録をプラットフォームにアップロードすると、AIがその映像を認識および分析してくれます。フィールドでの動きからハイライトを編集したり、サッカーなどであればゴールなどを検出します。これをもとにプレイヤーと共有することができ、彼らは良いフィードバックを受けることができるようになるのです。

AIがボールの位置を検出し、映像に自動でズームすることもできます。これは試合の放送にそのまま使えるほどのクオリティです。もちろん映像は非公開にして自分のチームだけが閲覧できるようにもできます。

このプラットフォームの分析はサッカーだけでなくラグビーやバスケ、ラクロス、バレーボールなどヨーロッパでメジャーなスポーツには大体対応しています。もちろん「プラットフォーム一つで」です。

このサービスはカメラマンを継続的に雇うほどの費用を持たないアマチュアや中小のスポーツチームに人気となりました


また、コロナはVeoに非常に強い需要をもたらしました。感染拡大に注意を払うため、対人接触を減らさなければなりません。保護者は子供の試合を見ることができなくなりました。

その際、Veoのような人の手のいらないカメラはスポーツチームにとって願ったり叶ったりなのです。子供の様子をビデオで家で安心して見ることができます。コロナで意外な使われ方もされているようです。

もちろんVeoのサービスはプロのスポーツチームにも使われています。プレミアリーグやイタリアのセリエAなどなど。同社のサービスは現在79カ国5000チームが使い、20万試合を分析しています。2019年には2.5万試合だったのでアメリカ進出を機に1年で急成長を遂げています。


設立は2015年ですが、サービスの正式リリースは2018年でした。Veoはこれまでに累計3310万ドルを調達しています。今年2021年1月にシリーズBの調達を行いました。デンマークの資産運用会社”Chr. Augustinus Fabrikker”がリード投資を行っています。

この調達によってVeoは米国市場での足場を盤石なものにするのか見ものです。


3. Eversports – スポーツジムの予約サイト&小規模ジム管理SaaS

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(Eversports)

会社概要
拠点: オーストリア
設立年: 2013年
累計調達額: 約1050万ドル

最後に取り上げるのがオーストリアのウィーンを拠点とする「Eversportsです。

Eversportsはスポーツ体験のDXを推進するため消費者側、スポーツジムや会場の運営側にソリューションを提供しています。


消費者側はヨガ教室やテニスコートなどの予約をEversportsのプラットフォーム上で全てオンライン予約可能です。また、フィットネスジムなどはオフラインだけでなくオンラインで受講することも可能となっています。

コロナ禍で経営が困難になった地元のスポーツジムのレッスンをオンラインで受けることで自分の健康を維持しながらコーチやトレーナーの方を支援することができるのです。もちろんヨーロッパ中のジムから好みのレッスンを選ぶことができます。

ANOBAKAでもオンラインフィットネスの「SOELU」に投資しています。オンラインでの健康維持はコロナ禍で急速に注目トレンドとなっていますね。

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(Eversports Manager)


Eversportsが特に力を入れているのはジムなどの運営側に提供されているSaaS「Eversports Managerです。Eversportsは2019年に同じ小規模フィットネスジム向けのSaaS「Fitmanager」を買収していることからも注力具合がわかります。

受講者の管理の手間をなくし、インストラクターは受講者とともに汗を流すことに集中できます。利用すると自らのレッスンをEversportsプラットフォームに表示され、新規受講者を獲得できます。

受講者は24時間いつでもオンライン予約できるようになり、インストラクター側もマウス数クリックでオリジナルの時間割を作成できます。オンライン決済やジムの従業員向けに自動給与計算、ウェイティングリストといった機能が提供されています。

オンラインレッスンにも焦点が当てられており、録画したレッスン動画を受講者がいつでも見返せるようなビデオオンデマンド機能も配布されています。もちろんリアルタイムでのオンラインレッスン機能にも対応しています。


Eversportsは2013年に4人の創業者によって設立されました。彼らは当時消費者にとってオンラインでのスポーツジムやコートの予約がいかに面倒かを実感していました。情報はウェブ上で表示されているのに予約するには電話が必要で、支払いは現金でないといけない、と。

そんな課題を解決するためEversportsは今日までに約1050万ドルを累計で調達しています。シリーズAでプラハのVC「ENERN Investments」をはじめとしたヨーロッパ各地のVCが参加しています。


Eversportsはアフターコロナのその先も消費者とジムや教室運営者および会場を強く結びつけることができるのでしょうか。


以上、スポーツテック領域で注目の3社でした!


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