マーケティングは多くの場合グラフィックデザインに基づいています。しかし、関連する商業利用可能な写真を見つけたり、写真撮影をしたりするのが難しい場合が多く考えられます。マーケティング担当者の 32% が週に 2~5 時間をビジュアル コンテンツの作成に費やしています 。Dall-E 2 のようなテキストから画像への AI ツールの出現によりプロセスがさらに簡単になり、企業はマーケティングチームに過度の負担をかけることなくコンバージョン、売上、リードの増加という長期的な利益を享受できるようになります。今回はtext to imageのAIが実際にどのようにビジネスにおいて活用されるのかをみていきましょう。
BoothAI
Booth.AIはAI技術を利用した製品写真ツールであり、ユーザーが高品質のリアルな写真を実際のサンプルを必要とせずに素早く生成できるようにすることを目的としています。
このツールを使用するには、製品のサンプル画像と、目的の結果を説明するテキストプロンプトを提供する必要があります。生成された画像は本来の写真と見分けがつかないレベルの品質で、画質が4Kに達します。これにより、Webサイトやマーケティング資料に使用できる高品質の画像を手軽に入手することができます。
Booth.AIは、直感的なプラットフォームを提供し数ステップで簡単に画像を受け取ることができます。また、編集ツールと追加の編集サービスも提供されています。このツールは小売業者、メーカー、クリエイターなど、ブランドを差別化するためにイメージカタログを拡張しようとしている人々に業務の効率化と節約を与える事が出来ます。
場所:US. サンフランシスコ
調達ラウンド:プレシード
最新調達金額:$570K(2022/04/06)
累計調達金額:$570K
Creator Kit
Creator KitのAI Product Photosツールは、AIを使用して製品画像に背景を追加し、数秒でプロフェッショナルな製品写真を作成する画像ジェネレーターです。このツールは、売り上げを伸ばすために設計されており、ラベルのぼやけや形状の変化などを起こさず元の画質を維持することができます。また、Shopifyと統合されているため、ユーザーはShopify管理画面から直接写真を生成してCreator Kitのビデオテンプレートで使用することができます。
Creator Kitのユニークな機能の1つは、ユーザーが無制限の数の製品写真画像を無料で生成できることです。未使用の画像は無料であり、ユーザーは生成された画像を使用した場合にのみ課金されます。この製品写真ジェネレーターは、販売効率を最適化するために独自のテキストから画像への拡散モデルを使用しています。
このツールは、企業が写真編集スキルの習得やプロの写真家を雇うことなく、魅力的な広告画像を作成できるようにします。
場所:US.カリフォルニア
創立:2017
ImgCreator.AI
ImgCreator.AIは自然言語処理技術を使用し、ユーザーが提供したテキストの説明を読み取りその説明に基づいて画像を生成します。またプロンプトの他にも画像のカテゴリーやスタイルなども選択可能です。イラストやアニメーション、コンセプトデザインの作成に最適であるとされています。また生成した画像を編集することも可能で、生成された画像の一部を消去し空白部分に新たな画像をプロンプトをもとに生成する事が出来ます。
無料版では、画像の出力解像度は512×512ピクセルですが、サブスクリプションを購入することで、より高解像度の画像を生成することができます。また、作成した画像に対して完全な商用利用権を取得することができます。
ImgCreator.AIによって生成される画像は、リアリスティックな写真から、想像力豊かなイラストまで様々な種類があります。
Artbreeder
ArtbreederはAIを利用して新しい方法でアートを作成することができるツールです。ユーザーは画像をつなぎ合わせたり、コラージュを作成したり、作品をAIアートのコミュニティと共有したりすることができます。
Collager機能を使うとユーザーは簡単に図形や画像からコラージュを作成し、さらにプロンプトを加えることができます。Artbreederはそのコラージュをより具体的なものにしてくれます。ユーザーは画像を探索し独自の肖像画、風景、絵画を作成することができます。Splicer機能を使うとユーザーは画像を混ぜ合わせて編集、新しい画像を作成することができます。
お気に入りのクリエイターをフォローして、作品をコミュニティと共有することもできます。ユーザーはArtbreederを使って、コンセプトアートや歴史、音楽ビデオを制作しています。
Textomap
Textomapはテキストをインタラクティブなマップに簡単かつ迅速に変換できます。このツールはコンテンツ作成者、ブロガー、旅行代理店、オペレーター、教育機関、ニュースやメディアのアウトレットなどで使用することができます。ユーザーはチャットボットに対して質問を投げかけるもしくは都市名や観光地などが含まれた文章を入力することでカスタマイズされたマップを入手できます。
多くの言語が使用可能で、英語、スペイン語、中国語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、日本語、韓国語などが含まれています。Textomapはデスクトップとモバイルの両方で使用可能で、コーディングなどの複雑なスキルを必要としません。また、無料のChrome拡張機能も提供しており、ユーザーは同じタブでウェブサイト、ソーシャルメディア、ドキュメント、電子メールを移動する際にマップを生成することができます。
さらに、ユーザーは任意のWebサイトまたはブログにマップを埋め込むことができます。Proバージョンを使用するとユーザーは追加機能をロック解除し無制限の数のマップを作成しマップリンクを共有しソーシャルメディアに投稿したり、マップをエクスポートしたり、優先チャットやメールサポートにアクセスすることもできます。
課題
画像生成モデルは、基本的なテキストを画像に変換するために膨大な量の画像データを必要とします。基本的に、これらのモデルはトレーニングデータに依存して処理方法を学習します。ほとんどの企業は独自のデータ セットを持っていないため、Web に依存しています。そのため一部の画像は常に適切であるとは限らず、関連するデータを整理するための、より厳密なフィルタリングプロセスが必要になるため、ウェブからトレーニングデータを調達することはまだ問題があると考えられます。
画像生成ツールは、非常に創造的で革新的なデザインの機会を提供します。しかし、これらのモデルは、一般的な固定観念や社会的偏見を反映することがよくあります。たとえば、Google はImagen がさまざまな職業を西洋の性別の固定観念を反映して描写する傾向と、肌の色が明るい人々の画像を作成する傾向があることを認めています。したがって、アウトプットはある意味で性差別的、人種差別的になりうるのです。
これらの課題を解決し、よりユーザーのイメージに近いものを生成するためにもユーザーはプロンプトの作成に力を入れる必要があります。自らのイメージを言語化する能力が重要になります。これはText to Imageに限らず全てのGenerative AIの活用においても同様です。AIがさらに身近なったことによりユーザーに求められる能力も変化しつつあります。これらを正しく理解することで今後Generative AIを有効に活用出来るか否かも大きく変わっていくのではないでしょうか。
参照
https://github.com/yousefebrahimi0/1000-AI-collection-tools#art–image-generator
https://theresanaiforthat.com/
https://addepto.com/blog/how-businesses-can-take-advantage-of-text-to-image-ai/
https://base10.vc/research/generative-ai
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/technology/00007/00048/