ANOBAKAインターンの古市です。
「生成AI起業のヒント」では、ANOBAKAが注目している海外の生成AIスタートアップを取り上げて、生成AIの活用方法を分析・解説していきます。
生成AI領域で起業を考えられている方にとって事業のヒントとなれば幸いです。
第1弾となる今回は、海外の生成AIスタートアップをまとめて紹介していきます！
■海外AIスタートアップ事例
今回は海外AIスタートアップ事例について公開されている資金調達時のピッチ資料を参考にして、主にはAIをどのように活用しているのかについて解説していきます！
1.「癌の早期発見のためのAIツール」Ezra
・会社名 ： Ezra
・ラウンド ： シリーズB
・調達額 ： $21,000,000
・カテゴリ ： 医療、データ活用
・会社URL : https://ezra.com/
・ピッチ資料： https://decks.chiefaioffice.xyz/content/ezra
・事業内容
複数のプロダクトを組み合わせてがんの検査ソリューションを提供しています。以下に検査ソリューションを構成するプロダクトの中でもAIを利用しているものを紹介します。
・Ezra Flash AI
Ezra Flash AIはMRI画像を従来の２倍の速さで撮ることができます。短い時間で撮影した画像の質をAIによって補うことで、検査に十分な質を確保することができています。
・Ezra Prostate AI
Ezra Prostate AIは画像のようにMRI画像を基に前立腺の形状を解析し、関心領域を特定して測定結果を提供することや形状解析による数値提供によってMRI画像から前立腺の3Dモデルの作成を支援することができるFDA認可のAIツールです。
・Ezra Reporter AI
Ezra Reporter AIは検査結果からEzra検査レポートを作成する時間を80%短縮できます。具体的には上の画像のように検査結果の重要箇所を特定したり、検査レポートを作成する時に入れるべき箇所を重要度とともに提案します。
簡単に素早く検査を受けれるようにするために様々なAIを駆使するというアプローチ、一般化すると、一つの良い体験を作るために複数のAIツールを組み合わせるというアプローチは参考にできるものだと考えます。
2.「保険向け医療文書収集、分析のためのAI」Anterior
・会社名 ： Anterior
・ラウンド ： シリーズA
・調達額 ： $20,000,000
・カテゴリ ： 医療、保険
・会社URL : https://www.anterior.com/?utm_source=www.chiefaioffice.xyz
・ピッチ資料： https://decks.chiefaioffice.xyz/content/anterior
・事業内容
Anteriorは、医療処置に対する健康保険の承認を支援するAI搭載のヘルスケア管理プラットフォームであり、LLMを活用したAI臨床コパイロットFlorenceを介して医師や看護師の管理業務を軽減し、保険会社が要求する医療文書を看護師や医師が効率的に収集できるように支援することを目指しています。
Florenceは臨床医のサポートを人と同じかそれ以上のクオリティの出力を行うために人の臨床医と全く同じインプットを行っており、看護師が最大で2時間かけるような臨床判断のタスクをFlorenceは2分で完了できます。
公開されているFlorenceの情報はそこまでないですが、スライドにある通り、現在電子化・自動化が進んでいない事前承認プロセスを自動化することで、拒否率を減らし、患者が重要な医療処置を迅速に受けられるようにすることを目指しています。
現在は健康保険の事前承認の自動化を目指していますが、長期計画では、保険の運営主体が行う全てのワークフロー(スライドにおけるPayer Workflows)を管理するプラットフォームになることを目指しています。
自動化が進んでいないが市場が大きい領域にAIを活用することで自動化を進めるという視点は参考になるかもしれません。
3.「仕事上の様々な場面の要約を行うAIツール」Read AI
・会社名 ： Read AI
・ラウンド ： シリーズA
・調達額 ： $21,000,000
・カテゴリ ： 業務効率化
・会社URL : https://www.read.ai/?utm_source=www.chiefaioffice.xyz
・ピッチ資料： https://decks.chiefaioffice.xyz/content/read-ai
・事業内容
主にミーティングやeメールやslackなどのメッセージからの情報を利用してレポートを提供することで仕事の効率化を行うためのツールを提供しています。
ミーティングを記録しながら、そのミーティングの要約を作成できます。それに加えてキーとなる質問をその回答シーンとともに記録できます。
また、ミーティングを分析し、エンゲージメントなどの指標を加えたレポートも提供します。
eメールだけでなくslackなどのメッセージツールからも情報を取得し、要約を作成できます。
ミーティングやメッセージの情報を収集し、文章情報やミーティング映像の表情やエンゲージメントの分析を行っており、それらの情報を全て一括に処理してレポートを作成しているため、LLMのみのアプローチよりもより正確な文脈を掴んだレポートを作成することができます。
ミーティングやメッセージを記録、要約するだけでなく自動で全ての情報を含めて出力できる点が便利さに一役買っていると考えます。一つの体験のために妥協せずに複数の機能やツールを入れるというのが大事だなと感じさせられます。
4.「リスク管理のためのAIツール」ValidMind
・会社名 ： ValidMind
・ラウンド ： シード
・調達額 ： $8,100,000
・カテゴリ ： データ活用
・会社URL : https://validmind.com/?utm_source=www.chiefaioffice.xyz
・ピッチ資料： https://decks.chiefaioffice.xyz/content/validmind
・事業内容
AIモデルのリスクマネジメントに関わるプロセスをAIによって自動化するツールを提供しています。
機械学習モデルやAIモデルの設計、開発、テスト、および運用に関する詳細な情報を記録するモデルドキュメントを自動で作成します。
かつては一度きりのモデル検証で十分でしたが、今の規制（SR11-7、SS1/23）においてだったり、従来よりも複雑なAIモデルは、モデルライフサイクル全体にわたってリスクマネジメントが必要となります。ValidMindは、検証レポートの管理や結果の追跡、モデルのリスクコンプライアンスに関するレポートを統合プラットフォームで提供します。
ANOBAKA インターン古市
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