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【インタビュー】オンライン経済圏の再評価 #PICKS編

2020.5.12

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コロナ収束の時間軸はまだ不透明ではあるが、確実に社会が変容しつつある。このコロナショックを契機にこれからの社会のあり方や経済活動の前提を考え直さなければならない。

この「オンライン経済再評価」のシリーズではKVP投資先の中でいち早くアフターコロナ社会におけるスタンダードを見据えてサービス展開している各社の社長に自社及びオンラインでの経済活動が劇的に変化している最前線をインタビューしていく。

その第三弾として飲食店のテイクアウトサービスPicksを展開している株式会社DIRIGIOの本多さんにお話を聞いてみた。また、このシリーズの趣旨に沿ってzoomでのオンラインインタビューという手法を採用しています。

またPicksは本日(5/12)Instgaramとの連携も発表され、勢いにのるスタートアップです。

インタビュアー:萩谷 聡
インタビューイー:株式会社DIRIGIO CEO 本多祐樹

-それではまずサービスの紹介をお願いします。

私たちは「新しいライフスタイルをでデザインし、幸せな生活を創り続ける」ことを目標に、現在地から近くのテイクアウトできるレストランを簡単に見つけることができるPicksを運営しています。
テイクアウト専門店はもちろん、いつも並んでいて 入りづらい有名店など様々なお店が登録されています。

現在、アプリとwebで使えるテイクアウトできる待ち時間0の事前注文決済サービスです。

-テイクアウト市場における問題点はなんですか?

市場の課題については大きく3つの課題感があると思っています。

まず1つ目はメディアの問題です。
現在、テイクアウトをできるお店が増えていますが、情報がまとまっておらず各飲食店さんのHPやまとめ記事といった断片的な情報しかなく、ユーザーさんが横断的に情報にアクセスできるサービスがないことが問題でした。

2つ目は待ち時間の問題です。
待ち時間には2つのパターンがあり、1つ目は大手チェーンなどの行列による待ち時間で、簡単に素早くテイクアウトしたいのに、レジで注文するまで行列の中で待つのが時間がかかりストレスがかかっている問題があります。2つ目の待ち時間は調理時間で注文してから調理を行うまでに数分~十数分待つ必要があり、注文するまでと注文してからで2回待ち時間が発生しているのが問題です。

3つ目は注文方法の問題です。
各飲食店では個別に事前予約でのテイクアウトをやっているところがありますが、電話やファックスで注文を受けつけていて、人的コストがかかり、またミスが起こりやすい状況になっていることが問題です。

この3点を解決するために、待ち時間なしの事前決済サービスPICKSを開発しようと思いました。

-なるほど。現在のようなテイクアウトが流行る前からテイクアウトのサービスを展開していますが、なぜ始めたのですか?

前身のサービス含め、2017年の2月からテイクアウト事業を展開しています。

始めた理由は自分の飲食店でのバイト経験で、以前働いていたお店でテイクアウトを1万円くらい電話で受注しているのを見ていて、ニーズがあるのでは?と思って始めました。

飲食店は美味しい料理と空間を提供して皆さんに身近に高頻度で利用されつつも経営状態が厳しい側面があり、どうすれば飲食業界が良くなるのかを考え、飲食業界の利益構造を良くしたいという強い思いからサービスを始めました。

-現在のサービス状況はいかがですか?

現在、有り難いことに登録店舗数が大幅に増加しており、ユーザー数についても大幅に増加しております。
飲食店さんをできるだけサポートしたいと思っているので、現在2020年9月まで飲食店さんの利用を無料で提供しています。

不要不用の要請がある中、飲食店さんの売上が大きく減少している状況で、PICKSとしては自分たちの売上ではなく、まずは飲食店さんのサポートを第一に考えています。

またテイクアウト文化を多くの人に広めたいという側面から経営陣と話し合い2020年9月までの無料を決めました。

Picksを無料で使えるようにします

-無料で使えるようにしているんですね!数あるサービスがある中、Picksが選ばれている理由はなんですか?

飲食店さん側で言うと無料で使えるという側面もありますが、しっかりとした飲食店のサポートをやっています。
飲食店のテイクアウト文化がまだないので、どういうメニューをやるべきか?など一緒に売上がしっかり作れる方法を一緒に考えています。
例えば写真とメニュー名が分かりやすいようなしていて、鶏モモ肉のメニューがあった場合、アスリートセットみたいなメニュー名をつけています。
ただ単純に料理名をつけるのではなく、ユーザーさんにどんなメニューなのか?分かりやすく伝えることを意識しています。

飲食店さんの集客ツールとしてではなく、一緒に伴走してテイクアウトの売上の最大化を一緒にやっていきたいという話をさせていただいています。

またユーザーさん側でいうと、オペレーションミスがないようにサポートしている。
具体的には飲食店側の自動キャンセルなどが仮にあった場合、理由のヒアリングを行い、ユーザーさん側へなぜ自動キャンセルされたかの理由を丁寧にお伝えしています。
ユーザーさんからすると1回の不満がサービスの離脱に繋がると考えているので、そこは手厚くサポートすることを心がけています。

-afterコロナ/withコロナのテイクアウト文化はどうなっていくと思いますか?

これからますますテイクアウトを始める飲食店さんとユーザーが増えると思っています。
飲食店さんは直近の売上が全てで、貯金がない中で営業をしているところが大半で、いかに利益率を高くして、キャッシュフローを回すかが課題となっています。
キャッシュフローエンジンがテイクアウトで、店内飲食はコアファンの獲得みたいな棲み分けが非常に大切になってくると思います。

その考えでいうと外食と中食と二項対立するものではなく、並存すると思っていて共存関係になっていく必要があると思っています。
外食産業は売上を大きくする場合、店舗数を増やす必要がありますが、同時にリスクも存在します。
そこでいかに1店舗の原価を同じまま、どうやって売上を上げていくかが重要になってきます。
テイクアウトは売上を最大化できる1つの手段だと思っていて、テイクアウトで外食の売上が下がるものではなく、外食の売上の下支えをするものだと考えています。

-PRの進め方はどういう風な工夫をしていますか?

若いメンバーが多くクイックに動けるところが特徴で、ライブ配信などに抵抗がなくインスタライブやyoutubeなどの動画配信をオンラインで積極的に行なっていこうと思います。

これまでは一人一人が店舗に通い、店舗数を増やしてきましたが、最近では動画の方がより多くの人にPICKSを知ってもらえるのではないかと考えています。

もちろん、オンライン活動では店舗さんとのリレーションシップが重要になっていくるので、そこはセットでどうしていくべきかを経営陣と議論しています。

-オンライン経済における課題感はありますか?

僕はオフラインの体験価値がこれからますます上がると思っています。
オフライン特有のの手触りはなくならないと思っていて、VRでジェットコースターを体験するのと遊園地でジェットコースターを体験するのではエンタメの体験価値は違うと思います。

なのでオンラインがオフラインをリプレイスするという考え方ではなく、あくまで共存関係でオフラインとは別の価値を提供する必要があると思っています。

またITリテラシーが低いオンラインプアの人は情報にアクセスできず、かなり問題になってくると思います。
特に高齢者にとってはオフラインのオンライン化は非常に問題があると思います。

-インタビューを終えて

今でこそ注目され始めたテイクアウトに関して、実際にテイクアウトがお店の売上に貢献するためには
様々なサポートが必要であることがわかりました。
Picksがここまで成長できているのは、そういった丁寧なサポートがあるからだと思います。
またwithコロナ、アフターコロナでの飲食店のあり方を考える際に
オンライン主流になる中、実際のリアルの体験価値というものが
さらに高まること、中食と外食が共存し利益率を上げていくこと、
という考え方は一つの答えであるように思います。
ぜひ皆さんテイクアウト、デリバリーでお気に入りの飲食店を見つけ注文してみましょう。

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