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助太刀×シューマツワーカー×Zehitomo ファウンダーが語るPMFの瞬間

2021.8.3

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この記事は7月5日に行われた『ファウンダーが語るPMFの瞬間』のイベントレポートとなっております。

登壇者は株式会社助太刀 我妻陽一氏、株式会社シューマツワーカー 松村幸弥氏、

株式会社Zehitomo ジョーダン・フィッシャー氏、ANOBAKA 萩谷聡です。本イベントはご好評につき第二回の開催となりました。PMFに至ったスタートアップ3社の代表をお呼びしてANOBAKAとしてPMFまでの道のりや、ハードシングスについて迫りました!

※編集の都合上、敬称は省略させていただいており、発言内容は読みやすいように一部改変しております。

登壇者紹介

⑴登録建設事業者15万を超える建築人材のマッチングPF「助太刀」

⑵登録者数3万人超え 副業のプラットフォーム「シューマツワーカー」

⑶20万以上の事業者が登録、累計100億円以上の仕事依頼が発生 最も簡単に、自分に合ったプロに出会えるプラットフォーム 「Zehitomo」

1.PMFしたと思った瞬間

我妻:

PMFの捉え方は人それぞれだと思っています。本当に「PMFした!」みたいな瞬間があれば、投資家も経営者もわかりやすくて良いと思うんですが、僕は無いと思っています。投資してもらっているので立場がありますけど、経営ってやっぱり不確かなもので複雑なものです。それを簡単にして、可視化するのって無理があるのかなと思います。僕の感覚として近いのは、「そのサービスが無くなったら本当に困る人はどれくらいいるのか?」というのは考えることがある。例えば今、助太刀が無くなったら「10人くらい困る人がいるな」とか、「100人くらいいるかな」とか、これがだんだん大きくなったら「助太刀なくなると、建築業ヤバイよね?」みたいにしたいです。ここまで行けたら本当の、良い意味でのPMFかなと思います。

萩谷:

事業をサービスリリースしてから、いろいろ変遷があったと思いますが、ここまできて「サービスがなくなったら悲しむユーザーが1人でも存在し始めているな」と感じた瞬間はあったんですか?

我妻:

逆にポジティブな方で「助太刀があったから独立できた」とか、「助太刀みたいなサービスが出てきたから、建設業でマッチングとか使えるようになってきたよ」みたいな声は、嬉しいですよね。

萩谷:

助太刀は建設の職人さんのコミュニティとかも作られていて、しっかりユーザーの声を聞いていると思いますが、それで働き方が変わった人もいるんですか?

我妻:

まあ、PMFの話と少しズレるかもしれないですけど、助太刀って一回サービスの構造を大きく変えています。最初は案件があって、そこに人をマッチングするタイプだったんですよね。フィーは元々取っていなくて、月額利用は変わらなかったんですけど。あまりうまく回らなかったんです。なぜかというと、僕も工事会社を経営しているんですけど、建設会社の社長さんとか職人さんって初めて会った人をすぐ現場に入れられないんですよね。ですので、今の助太刀は先ほども申し上げたように、工事会社同士、工事会社と職人さん、職人さん同士とか、人と人をマッチングにする形に変えたんです。それをやってからは、ユーザー数の伸びとかアクティブ率とか課金ユーザーが一気にグーンと伸びました。PMFに近い瞬間だったのかもしれません。

萩谷:

サービスを変えるって結構な意思決定じゃないですか、その辺はどういう背景があったんですか?

我妻:

そうですね。これ結構面白いんですけど、僕自体、建設業12~13年いて、建設会社を経営していたんですよね。今まで現場とってから人を募集するなんてしたことなかったです。それなのにアプリを作って、デジタルにすると、急に変なことしちゃったんですよね。それが結果回り回って戻ってきて、暇なうちに集めておくとか、夏頃忙しくなるから下請けさんいっぱい集めるみたいな、実は今までリアルでやっていることを再現していただけなんです。ですので、自分の中ですごく納得感がありました。それで変えられましたね。

萩谷:

色々聞きたいことがたくさん出てくるんですが、Zehitomoはどうでしょうか?

ジョーダン:

私も、「この瞬間だ!」みたいな経験はないんです。けれども、ピボットして、いろんな指標を見てみる方法もあると思います。自社のプロダクトが無かったら不便に感じるユーザーが4割以上いるとか、皆様も起業する中でベンチマークできるものもあるのではないでしょうか。現状のZehitomoがタウンページの10倍くらいの価値あるプロダクトだと思っていますが、100倍は目指したい。将来目指す姿次第でPMFの定義は変わります。PMFは狙うものではなく、実際のプロダクトに対するユーザーの反応(知らない人が10人買ってくれた、リピートしている等)から感じるものだと思っています。

萩谷:

シードから立ち上げてきて、ローカルのプロと依頼を集めないと行けないし、それに合わせて依頼者を集めていかないといけないという中で、大事なのってどっちかというとローカルの事業者からお金とるモデルだと思うんですが、ニーズがあるなって思ったのはどういった時なんですか?

ジョーダン:

最初立ち上げる時は消費者目線の気持ちの方が大きかったのですが、やればやるほどペインが業者側に圧倒的に多いことがわかりました。日本の市場にいても、中小企業のいちばんのペインは集客。Zehitomoはどちらかというと事業者向けのプラットフォームだと思っています。私たちのサービスでは事業者を「プロ」と呼んでいて、マネタイズにしてもプロが課金しているんですね。うちが間に入って手数料をとってるわけではなくて、プロが提案する行為に課金しています。海外ではあるんですが日本ではそのビジネスモデルがまだなかったんです。プロと話していても便利だと言われ、意味のある価値を提供してると思えるようになりました。

萩谷:

今まで仕事をどうやって探したらいいか分からないプロの方は多くいて、「Zehitomoだと見つかる」という声ができた段階で、これは意味があると思えたってことですね。

ジョーダン:

そうですね。集客のニーズがあるのはわかっていたんですけど、今まで市場によくあったビジネスモデルじゃないやり方でどうやってそれをスケールさせるか、プロにとって良いより価値提供をしたいという思いがありました。海外みたいにアグレッシブにビジネスを拡大しようみたいな動きが同じわけではなかったので、それに合わせてピボットをして、プロセスを自動化し、コンシェルジュみたいに「うちがやるから料金ください」みたいなのとか、アルゴリズムを作ったりだとかして、さまざまな模索をして今のZehitomoになってきました。

萩谷:

マッチングのところの試行錯誤は各社あるってことですよね。鶏か卵で、サプライヤーとエンドユーザーを集めたけれどもうまくマッチングしない、そこをPDCA回して、もう一回やると上手くマッチングしていったと思います。また、次のセッションのテーマでもお伺いできればと思います。ありがとうございます。

松村:

シューマツワーカーも「PMFした!」という瞬間はなかったというのが回答になります。社内でのディスカッションにおいてPMFっていうワードはそんなに出ないなって改めて今回のセッションの前に思いました。代わりにユニットエコノミクスに直結するようなKPIの改善がどれだけ進んでるかは、普段のディスカッションでもよく出ます。ある瞬間に PMFしたっていうことではなく、ユニットエコノミクスがじわじわ改善していった感じです。また、シューマツワーカーは4年半前にサービスのβ版を立ち上げたんですけど、当時はプロダクトだけを磨けば良いっていう状況じゃなかったんですよね。マーケットも変化する必要があったので、すぐすぐは外部環境が追いついてこなかったというのもあります。今でこそ企業が副業人材受け入れるってどんどん一般化してきているんですが。

萩谷:マッチングプラットフォームは最初、副業ワーカーとそれに合う企業を探さないといけないと思うんですが、立ち上げはどのように進めていったんですか?

松村:

最初の最初は企業案件から探してました。副業のマッチングに関しては特殊でして、まず個人サイドの「副業したい」っていう強烈なニーズは既にあったんですよ。さらには、鶏と卵系の問題って期待値のコントロールがキーになる話だと思うんですけど、副業するサイドはだいぶ “待てる状況” だったんですよね。ニーズは強いけど別に大至急じゃないから1ヶ月後でも2ヶ月後でも声かけてくれたら嬉しい、そういう感じだったので、最初は企業側の案件をどれだけ集められるかに振り切ってやってました。案件が出てきたら、次に副業したい人を全力で探すという流れでした。

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