ANOBAKAの葛西です。
今回はなかなか経営のデジタル化が進まないレガシー産業の警備業界について問題点の整理とこれからの発展性について考えてみたいと思います。
背景としては市場の成長が一度止まって踊り場を迎えており、ここからさらに市場が成長するには何が必要なのかを考える上で面白い産業だと考えたためです。
また同じような問題を抱えた業界も多いと思うので、横への転用のしやすさを選んだポイントです。
まずは数字周りの整理です。
警備業界は3兆円を超える巨大産業
売上高は2004年の3.5兆円をピークに横ばいが続いておりますが、1兆円を超える巨大産業です。2004年から2009年にかけて売上高は減少していますが、2009年以降持ち直し、2019年は2004年と同水準まで回復しており、今後も微増傾向にある市場だと考えています。
また市場規模に比例して、2000年をピークに警備事業者も増加しています。こちらも2000年から2006年にかけて警備業社が減少していますが、2006年から増加傾向にあります。
一方で警備員の数は年々増加しており、2008年に鈍化がしていますが年々微増で増え続けています。
警備業界の抱える大きな2つの問題点
警備員の高齢化
警備業界の高齢化の問題に直面しています。警備員の数自体は年々増加していますが、その内訳を見ると50歳以上の警備員の数が60%を超えています。警備員はセカンドキャリアとして捉えられることが多く、なかなか新卒としてファーストキャリアの選択肢に上がらないのが現状です。
背景としては年収の低さが原因で、平均で300万円程度でまた勤続年数による昇給も少ない業態も原因の1つだと思います。(案件ごとに日給が決まっているため)
アナログな経営手法
多くの中堅警備会社は紙のカレンダーやアナログなホワイトボードで案件管理をしています。23日に○○現場に△△さんと□□さんを2名配置。また勤怠に関してもカレンダーに25日××お休みのように書き込みDX化が進んでいない業界です。
また人員不足の際には電話やFAXによって人の貸し借りが行われており、経営の効率化が行われていないことが警備員の給与の低さに影響を与えていると考えます。
問題点を解決する2つの方向性
この2つの問題点を解決するべき2つの方向性があると考えます。
まず1つ目はロボットによる警備業務の自動化です。
警備業務は大きく4つに分類されます。
警備業界の中でも近年市場が拡大しているのが1号警備の機械警備分野です。
2014年をピークに 事業者は減少傾向にあるものの対象施設数は増加しています。
これは大手のシェアが伸びており、業界最大手のセコムさんや綜合警備保障さんが業績を伸ばしていることが要因として挙げられます。
また近年では成田空港に警備ロボットが配備されるなど、1号警備においてはロボット化が進んでいます。
スタートアップでもUgoのような警備ロボットサービスもシリーズAの資金調達を成功させています。
1号警備においてはこれからますますロボット化が進むと考えています。
警備ロボットでは対応できない2号警備
一方で2号警備は事故の危険性が高いことから人員配置を最低1名以上行うことが義務付けられており、ロボットによる代替が難しい業務です。
2号警備における解決策の方向性は経営の効率化が挙げられます。
管制業務の効率化を行うSUPRELAYは経営の効率化の観点から業界を変えるサービスです。
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今後の警備業界は1号警備に関しては機械警備の拡大によるロボット化が進み、2号警備などの全般の経営管理に関しては効率化が求められていくと思います。
ANOBAKAでは巨大なレガシー産業をテクノロジーの力で変えていく企業に積極的に投資をしたいと考えています。
もしご興味ある方はご連絡お待ちしております!