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マリノスのオフィスついていってイイですか?PIAZZA編

2020.1.28

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マリノス「今日も長野さんの目を盗んで、昼間からお散歩に来ちゃった。

茅場町、普段は来ないから新鮮ねぇ~」

マリノス「あらっ??向こうでなんだか大変そうなことになっている男の人がいるわ」

マリノス「ヤダ!!!」

マリノス「投資先のPIAZZA株式会社代表・矢野晃平さんじゃないですかぁ~~~!!偶然ですねぇ~~~!!!!」

矢野さん「あっ、マリノスさん……助けてください!昨日、猫を追いかけてたら壁に挟まっちゃって……」

マリノス「昨日から!?も~仕方のないひと!投資先の代表じゃあなかったら助けてませんからね!」

矢野さん「かたじけない……」

矢野さん「一日ぶりの壁の外、気持ちいいなぁ!マリノスさん、助けてくださったお礼に、是非うちのオフィスに遊びに来てくださいな」

マリノス「おっ!確か最近オフィス移転されたんですよね?お言葉に甘えて…おじゃまします!」

そんなわけで本日はPIAZZAのオフィスにおじゃましました~!

最近こちらのオフィスに移転してこられたそう!

ちなみに今回の取材も、KVP新メンバーの中(なか)くんが同行してくれております。

「…ピァス…」

PIAZZAのオフィス、楽しみです!と言っていますね。

さて!PIAZZAさん、実はオフィスからほど近いところにコミュニティスペースの「flatto(ふらっと)」を運営しております!

今回はそちらへ見学へ行かせて頂きました!

中には、広いスタジオや、開放的でおしゃれなキッチンがあります!

こちらのキッチンは料理教室を開催するときに使ったりするそうですよ~!楽しそうです!

この素敵なコミュニティスペース…名前の通り、ふらっと気軽に立ち寄れるような親近感のある場所ですね!

ちなみにPIAZZAに登録すると電源・wifiフリーで使え流のでお近くに立ち寄った際にはぜひ使ってみてください!

flatto、素敵な場所ですね~。ところで、PIAZZAさんってどういう事業をしているんでしたっけ?

矢野「ご存知ない!!??…僕たちはですね、デジタルを使って街のコミュニティを作る事業をしております!

矢野「用途は大きく3つあります。1つ目は近所のイベント情報、例えばお祭りの情報などが多いです。2つ目は、不要品の譲り合いですね。例えばベビーカーやおもちゃなど、フリマアプリだとちょっと配送に手間がかかっちゃう物を近所でやりとりしていますね。

3つ目は、ちょっと救援的な用途で、近くの病院のどこがいいですかとか今の季節だとどんぐりが拾える場所はどこですかって質問すると、近所の皆さんが答えてくださる。この「教えて」系の返答率が90%以上あります!オンラインでご近所との暖かいコミュニティが出来ている実感がありますね。

90%以上はかなり高いですね! 

矢野「私たちの募集方法が結構口コミベースでみなさん集まってきていて、特に属性として多いのが3〜40代なんですね。その人達ってやはりあの近所の人の役に立ちたいっていうモチベーションが私たちが想像しているよりはるかに高くて、そういったやりとりはかなり頻繁にやっています。

現在中央区勝どきや江東区豊洲などの湾岸エリアで3〜40代世帯の3割が使っているアプリになっていて、そういった意味ではかなり普及されているアプリだと思っています。」

ユーザーさんの属性としてはどのような方がいらっしゃいますか?

矢野「3〜40代が7割で、その中で女性が65%。男性も結構使ってくださっていますね。」

男性もかなり使ってらっしゃるんですね!

矢野「男性は、お祭りなどのイベント、ランチなどのお店情報を探すのに利用されていますね。あとは、この中でもコミュニティー活動が活発で、芝刈りボランテイアグループとか、枝豆を一緒に育てましょうの会とか、そういう課外活動的な物には結構男性も活動的に参加してくださっていますね!」

そういう使い方もあるんですね!piazzaさんのオフラインでの取り組みについてもお聞きしたいです。

矢野「具体的にやっているのは2つです。1つはそれぞれのエリアで地域のママさんやシニアの方をコミュニティーデザイナーさんとして配置してコミュニティを盛り上げてくださったりガイダンスしてくださったりしていますね。あとは、施設だと先ほどのFlattoと、勝どきに2.5万人の子育て施設をやっています。児童館の民間版みたいなものですね。ローカルのコミュニティーは、アプリだけでは活性化しないという実感があります。

コミュニティーってもっとウェットだし、よりリアルに、アプリ内でコミュニティーが活性化するという考え方よりはいかにリアルに訴求していくかを考えていて、プロダクト自体をデザインするときもリアルとデジタル両方を一つのUXとして捉えて設計しています。」

ディベロッパーさんだけではなく行政ともうまく連携している印象がありますが、そこに関して苦労した点などはありますか?それともスムーズに連携できましたか?

矢野「行政さんは若年層に対する情報リーチというのがなかなかできていないことと、これから人口が減っていくマーケットの中で税収が減っていく。結果として彼らの収益が損なうので、市民との情報のリーチを求めていました。

また、行政サービスも今まで通りできなくなっていく世の中で、ある程度は民間に委ねていかなければいけない。色々な問い合わせが行政からきます。例えば、どこがいい歯医者さんですかとか、いい公園ですかとか。その答えてるリソースもないし答えられない質問も結構多くて、それならここのC2Cのプラットフォームで解決してください、と、市民自治を強化するツールとして使っていただいていますね

結果として連携すること自体にはハードルを感じていなくて、むしろ連携した後いかに普及させていくかというのが問題で、私達がチャレンジしている部分です。行政のチームと私たちのチームが一体となって施策を考えて、どうやってを普及させていくか、いろいろトライしています。」

行政の方がPIAZZAのデータやコミュニティに価値を感じているんですね。やりますねえ!

その他のPIAZZAさんの特徴で、コミュニティーバリューという独自の指標がありますが、それはどのような指標なのでしょうか?

矢野「僕らは、街の価値がハードからソフトになっていくという大きな仮説を立てています。今までは、建物が新しいかとか、駅から近いとか、そもそも駅が都心から近いかとか、ハードが街のバリューになっていました。しかし人口も減っていく中で、新築着工数もすでに減ってきています。

リフォーム市場もとても伸びている訳ではないし、セカンダリーの中古市場も一定です。家にいながらにしてECで物やサービスも届き、家にいて仕事もできるという環境になった時、街の価値がハードからソフトに転換していくと考えています。

具体的にソフトとは何かと言うと、コミュニティーやそこにあるサービスだと思うんですよね。そのコミュニティーを作っているプラットフォームの中で一つ課題があって…これから街づくりにとても重要になっていくのにも関わらず、それを測る指標がないんですよ。

コミュニティーというバズワードをちゃんと指標化して定量化しないとそこにマーケットがないし、ビジネスのマーケットもなくなっちゃうので、きちんと1つ指標、モノサシを作るっていうことが社会的なチャレンジでもあるかなと思っています。」

ありがとうございます。独自の指標で成長を可視化しているのは興味深いですね。

海外では類似したビジネスモデルのNextdoorがかなり流行っている印象がある一方で、日本では地域特化SNS市場はこれから立ち上がるという印象があります。ここはどういった要因があると思われますか?

矢野「そうですね、アメリカに6年ぐらい住んでいて感じたんですが、アメリカと日本のベースラインの違いで大きいなと思うのが、地域コミュニティーがすでにオフラインにあることです。

基本的には郊外かちょっと田舎、地方都市みたいなところってそもそも誰が住んでいるかとか住民同士で把握しているし、そこでのコミュニティーって結構あるんですね。Nextdoorがやっていることは、そういった既存のコミュニティーでのコミュニケーションを円滑化しているというのがあります。彼らからしたら市場に入りやすかったですし、こういったスケール感も出来ているかな。

日本を含めて世界の様々な国って都市化が進んでいるわけですね。日本はいま世界で一番の都市であって、まさに都市化が進んでいる。都市化っていう文脈をブレイクダウンしたときに何が起きているのかというと、その都市に移ることは地縁をリセットすることなんですよね。コミュニティーがない状態で人が来て、そこでコミュニティーを作らなくてはいけない。

日本は地域コミュニティーがない状態で、コミュニティーを作ってからコミュニケーションを円滑にするっていうプロセスが残っているんです。そういった意味だと遅れはとっているけれど、地域コミュニティーを創出するっていうことをまずやって、そこからコミュニケーションが円滑になるようなプラットフォームを同時にやっているので、これから伸びていくのではないかと思っています。」

なるほど、確かに日本だと隣に誰が住んでいるか知らない人は多いかもしれないですね~。わたしも分からないな…

地域に根付いた広告を出稿できる点が面白いですね!オンラインのローカル広告はどういったところが出すんでしょうか?

矢野「やっぱり多いのは、折り込みチラシを出しているようなマンションやディーラー、スーパー、あとは百貨店のような小売ですね。あとそのローカルで施設を持っている、フィットネスジムとか…やはりローカル性が高いもの、リアルビジネスをされている方ですね。」

オンラインのローカルアド市場の市場感や、今後どのようになっていくか予想はありますか?

矢野「まさにNextdoorの引き合いで言いますけど、アメリカのローカルのオンラインアドって約4兆円あるんですね、これが年々10%〜15%ぐらいで伸びていく予想になっています。これを日本に置き換えてみると、ローカルのオンラインアド市場というのはまだないんです。

ないに等しいと言うか、市場としてはものすごく小さい。ではそれを見積もるのにどうしているのか。今の日本のローカルアドはまだ折り込みチラシや、フリーペーパー、DM(ダイレクトメール)。この3つを足し算するとここだけでも約1兆円あるんです。ここのデジタルトランスフォーメーションがまだまだ未開拓なんです。そこを私たちは市場として捉えてやらせて頂いています。未だにローカルになにか届けようと思ったら、まだチラシなんですよね…。」

ほうほう…レガシーなローカルアドのディスラプトは確かにありそうですね!

さて、今回1.4億円資金調達されたということで、おめでとうございます!今回のラウンドでどこまで事業を進めるのですか?

矢野「ありがとうございます!私たちは今、あえてエリアを限ってやっている部分もあり、だからこそ3割の普及が出来ています。そうするとある程度そこでのマネタイズの仕方というのが分かってきて、まずはそのマネタイズをしっかりやる、そしてその成功モデルをいかにエリア展開していくかという、この2軸に張っていきたいなと思っています。基本的にはそれを実現する為の人材に投下していこうかなと考えています。」

人材へ投下するんですね!PIAZZAの社員さんはどのような働き方をしているのですか?

矢野「基本はリモートにして、インターナルな日を限っています。例えば金曜日や月曜日に集中してある程度インターナルで済ませて。私たちの会社の特徴は子育てしている人が多いんですね、ここにいるほとんどが子育てしていて子どもの用事もあるので、みんながリモートでも働きやすくしていますね。」

吉澤さん「うちの事業内容がすごく社会的で、そこに共感して入ってきてくれたメンバーばかりなので、やっぱり人の良さはかなり誇れますね。矢野さんがこういうタイプなので、フラットで意見の言い合いとかもやりやすい。

先日、オフィス移転パーティーをやったときの話なんですが…PIAZZAってイタリア語で広場っていう意味なんですね。社員たちの広場、良い広場が出来たことがすごく嬉しいと言っていたことがすごくいいなと思いました。良い人たちが集まって、良い広場が出来てる。

創業メンバーから開発プロダクトメンバーはもう4年やってるんですが、一人も辞めてないんですよ。仲が良いだけでなくて、切磋琢磨できるチームです。」

KVPも仲良しなチームなので、その良さはすごく分かるなあ~。採用に力を入れているポジションはどこですか?

矢野「エンジニアとプロダクトマネージャーが一番ですね。メンバーには東京メトロに勤めていた方とか、ベンチャーで執行役員をやってビジネスを立ち上げた方とか、色んな方がいますが、更に強化していきたいと思っています。

また、アプリ内のコミュニケーション戦略全般を担っていただく、コミュニティマネージャーも募集しています!」

たくさん応募が来るといいな…!では最後に思いをお願いします。

矢野「はい!私たちの思いとしては、地域SNSアプリを作っている会社ではなくて、次世代の街のデベロッパーだ、という気概でやっています。街ってどういう風であるべきかというものを再構築していく中で、ハードがどうあるべきかもそうだし、デジタルプラットフォームとの連携をどうしていくかも考え、その街の次の価値を創っていく。今までは”建てる”メインだったのかもしれないけど、ソフト面も内包できる次世代のデベロッパーでありたいです!」

あのぉ…今までおとなしく聞いてきましたけどぉ…
やっぱり、地域SNSってどうせ活性化しないものなんじゃあないですかぁ~?信じがたい!

矢野「急になんなんですかマリノスさん…!活性してますよ。話した通りですよ…」

マリノス「あーあーあー!もう御託は聞きたくない!……潔く、相撲で決めましょう!!」

矢野「いいでしょう。勝ったら信じていただけますね」

マリノス「もち」

はっけよ~い

マリノス「イヤアァーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!」

マリノス「……気を取り直して。」

ふむ…PIAZZAの利用によって人と人とのつながりが創出されていることは分かりました。

アプリ内の「教えて」カテゴリーへの投稿で、他住民からの返答率が90%以上…かなり高いですね。

マリノス「とはいえ…しょせんアプリ内!デジタルのお話ですよね~~?リアルにはつながらないんじゃあないですか~~?」

吉澤さん「マリノスさん、またですか!きちんとリアルに繋がるフックになっています!例えば、落し物をPIAZZAのアプリでアップしたら、実際に持ち主が見つかった例もありますから!!知り合いができたとか、子どもの預けあいをしている方もいるんです!!」

マリノス「」

マリノス「あーあーあー!!御託は聞きたくない!!」

吉澤さん「本当はこんなことしたくないけど…仕方ありませんね…」

はっけよ~い

マリノス「なんでーーーーーーーーーっ!?」

マリノス「キーッ!悔しい!!どうしてそんなに強いんですか!!何か秘訣があるんじゃあないですか!じゃなきゃここまで強くなれるわけがないです!!教えてください!!!」

矢野「マリノスさん、強さの秘訣はね」

吉澤「わたしたちの絆…信頼する心…それが強さです」

マリノス「絆…?信頼…?」

矢野「僕たちも、僕たちのサービスも信頼し合うことを大事にしている。その上にコミュニティがあり、結果として「人々が支え合える街」をつくっていくんです。」

マリノス「繋がり…信頼…わたし、いや、今の日本のローカルに欠けているものの大切さ…分かってきたような気がします……」

事業内容や今後の展望だけでなく、人との繋がりの大切さ、そこから生まれる強さ、ありがたみ、尊さを学んだ日でした。マリノスもいつか心から人間を信じられる日が来るでしょうか?

PIAZZAのみなさん、今回は本当にありがとうございました!

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