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【マリノスのオフィス行っていいですか?】CBcloudにおじゃましました!

2022.3.4

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皆様こんにちは、広報の森です。新型コロナウイルス拡大防止に伴いすっかり息を潜めていた投資先オフィス探訪企画、ひっそりと再開させてみました。

再開第一弾は、即日配送サービス「PickGo」などを提供するCBcloud株式会社におじゃましてきました〜!

そう、12月には約60億円の大型資金調達を行ったり、3月1日には同社初となる物流倉庫を埼玉県川口市に開設したり、今すぐ送りたいものを最短30分で配送できるサービス「PickGoエクスプレス」の無料体験キャンペーンを開始した、あのCBcloud株式会社です。どっちもリンクから詳細をご覧くださいね。

実は、ANOBAKAの投資先、いわゆるANOBAKAファミリーの中ではかなり古参のCBcloud!長いお付き合いなのに、なんやかんやでオフィス訪問は初なんです。かなり凝ってると噂のオフィス、楽しみです!

本社はこちら、秋葉原の立派なビルの中にあります。

ネオンがかわいい

今回オフィス案内&インタビューに答えてくれたのは…CBcloud株式会社代表、松本さんです!お忙しい中ありがとうございます。

写真撮影時だけマスクを外しております

CBcloudに到着し、まず目についたのがこちら。

あ!よく見たら、空港にあるやつだ!?

これだけではなく、随所に遊び心が散りばめられていました!例えば、各会議室の名前ですが…

お気づきでしょうか??単にA,B,Cと振り分けるだけでなく、エアバス、ボーイング、セスナ…と全部飛行機に関連する名前になっているんです!

こういう遊び心大好き!ディズニーランドに来たみたいな気持ちになります。

社内には他にも・・・

滑走路を模した通路(目を凝らすと奥の壁には離陸した飛行機が!)や、

機内の座席のような共有スペースまで!

こちら、実際に社員の方に座っていただくと、

ご覧の通り、完全に出張中の会社員になります。社内でいつでも出張気分が味わえる優れものですね!(?)

それでは、社内ツアーを一通り終えたところで、代表の松本さんにインタビューをさせていただきます!

ANOBAKA:では、まずは事業内容についてざっくりと教えてください。

松本さん:ざっくりと!?難しいですね(笑)。

荷物を運んで欲しい法人・個人の方々の依頼を、いろんな配送手段にマッチングさせるPickGoというサービスをやっています。配送手段は自転車の他、2トン車・4トン車・10トン車などのトラックがあります。
それ以外にも、運送会社さんの業務支援を行う事業も手掛けています。運送会社さんって、配送業務以外にも、日々配送する車のスケジューリングや請求書発行など様々な事務作業にも追われていて。その運送会社の業務を全て一気通貫で支援するソリューション、SmaRyu(スマリュー)トラックというサービスを提供しています。あと、宅配事業者さんの現場の環境改善支援をするSmaRyuポストというサービスもあります。

ANOBAKA:それらは、PickGoから派生したサービスなのでしょうか?

松本さん:私たちは、元々運送事業から始めているんですよ。その経験から、日本におけるドライバーさんや運送会社さんに適切にお仕事を紹介したいという思いが芽生えて、PickGoを始めました。彼らの売り上げを最大化するのみならず、日々の業務を効率的に遂行してもらうため、SmaRyuというサービスを提供しています。

ANOBAKA:運送事業会社から、どういう経緯で会社設立に至ったのでしょうか?

松本さん:元々僕は国土交通省の航空局という空の世界の人間だったんですが、義父との出会いで陸に入っていくことになりました。義父は元々車の整備や販売をする会社を営んでいたんですが、荷物を運ぶ軽自動車に冷凍機能をつけて欲しいというニーズに応えたのをきっかけに、いろいろ作ったり改造したりしたものを販売し始めたそうです。その当時、住宅街の中にあるような小型のスーパーが都心部で増えていくだろうという予測がされていて、そうすると住宅街の細い道でも身動きがとりやすく小回りの利く車両で配達しないといけないんですよね。
そして、その小型冷凍車両を販売し始めた時に、まずは物流の世界には個人事業主のドライバーがいることを知ったそうです。個人タクシーがいるように、物流の世界にも個人の配送ドライバーさんがいるんですよね。一方で、彼らが置かれている環境はすごく悪かったんですね。タクシーなら、道で手を挙げている人をお客さんとして捕まえられるけど、物流の場合、荷物を運んでほしいひとはそうやって見つけられない。仕事を得る手段がコネやネットワークでしか貰えず、あまりフェアじゃないんです。義父はそういった点に目をつけて、車を購入してくれた人たちにフェアな状況でお仕事を渡す、という事業を始めていきました。

ANOBAKA:その事業がPickGoの原型となったんですね!

松本さん:そうです。当初は全てアナログで電話で応対していました。お客さんから電話をもらって、ドライバーさん一人一人に電話してこの仕事できますかって聞いて…それをずーっと24時間365日。義父の強い思いには僕も共感していたので、プログラミングの経験を活かして貢献できればと思い、国交省に勤めながら1年くらいサポートして、義父からの強い後押しもあって国交省を辞めたんですが、その翌月に義父が急逝してしまいました。でもドライバーさんの生活もあるし、お客さんからもどんどん依頼が入ってくるので、急いでそれを引き継いで始めたのがCBcloudです。冷凍の商品の配送って、本当にひっきりなしに電話が来るんですよ。例えば、某外食チェーン店だと、ある店舗で食材が無くなったので今から急いで冷凍倉庫から持ってきてください!みたいな世界なんです。

ANOBAKA:計画通りにこの日はこれを配送して、みたいなものではないんですね!

松本さん:ほぼそんな感じです。その外食チェーンで言うと、当時冷凍庫がなかったので、冷凍の食材は使う分だけ配送してもらってお店に置いて解凍していたんですね。なので、予想以上にお客さんが来ると、在庫の食材がなくなる。そうなると緊急で倉庫から配送したり、他の店舗から持っていったり。そういう緊急のヘルプの電話が夜中に来て、そこからまた電話でドライバーを探して…。
消費者の見えないところに物流の仕事はいっぱいあるんですよね。人は、急いでいるからタクシーに乗るときがあると思うんですけど、それと同じように物流でも緊急で必要な時があるんです。それをどうにか仕組み化したいという思いから今のマッチングの事業が生まれました。

社内にあるフライトシミュレーターを体験させていただきました

ANOBAKA:そんなに電話がひっきりなしになっている中で、システムを作る時間ってあったんですか?

松本さん:ないです。寝ずにやってました。

ANOBAKA:その間、他の会社に営業も行ったりとか?

松本さん:行ってました。営業に行って商談してる時に、他のお客さんからの電話もとってました。だから商談中に、ちょっと待ってください電話してきます!って言って抜けてました(笑)。何人かに電話して話がついたら商談に戻る、ということをしてましたね。商談相手も食品系の人たちなのでこっちの事業をわかってくれてたから、大変だね〜って言って可愛がってもらったりしてましたね。

ANOBAKA:可愛がってもらえるのは、新規で若い人があまり入ってこないからでしょうか?

松本さん:そうです。物流会社に若い人がいないから最初は大変でした。こんな若い人はこの業界に来ない方がいいよとか、大変だよとかって言われましたね。とはいえ皆さん優しく、ウェルカムな感じでした。物を売っているわけじゃないから、いらないよとはならず、話は聞いてくれるのでよかったです。

ANOBAKA:実際にオフラインでやっていたことがオンラインになった時の抵抗ってあったんでしょうか。

松本さん:それはありましたね。2014-15年くらいに、まずはドライバーさん側からデジタルにしました。ドライバーさんは、業務が終わったら、今日は何キロ走りました、どこに行きましたって全部報告しなくてはならないのですが、当時まだスマホも持っていなかったようなドライバーさんたちにタブレットを配って、仕事の受注も報告も、売り上げの管理も全部タブレット上でできるようにしました。ドライバーさん側をすべてオンライン化できたタイミングで、荷主さんにも営業に行きました。当然最初は、こんなの大変だよって方もいましたけど、一回使ってもらえば便利さは分かってもらえるので、その「一回使ってもらうまで」を泥臭くやりましたね。

ANOBAKA:スケールするな、と感じたのはシステムを作ってからどのくらいですか?

松本さん:2016年くらいですね。2015年までは先程話した通り、ドライバーさん側のデジタル化をやっていました。それから30人くらいしかいなかったドライバーさんを100名、1000名にしていくところとデジタル化を同時にやっていた頃に実感しました。

ANOBAKA:その時、社員の数も順調に増えていたのでしょうか?

松本さん:全然増えてないです。2015年に一人入社、2016年に二人入社とかでした。ANOBAKAさんに出資していただいたのが2016年の9月くらいで、その時も社員は4名くらいしかいなかったです。

ANOBAKA:基本的に一人か二人で電話さばいていたってことですか…。確か最初は、屋根裏の小さい部屋でやっていたんですよね。

松本さん:そうそう、屋根裏の小さい部屋ですごく泥臭くやっていました(笑)
2016年頃に社員4名程で始まって、2017年は十数名、2018年になって20〜30名、2019年で4〜50名になりました。2020年になって沖縄に拠点を構えて、2021年に大阪にも事務所を持ちましたね。
2013から16年に運送の実務をしっかりやっていたのが私たちの価値ですね。ただマッチングだけをITでやるんじゃなくて、物流の芯をついた価値を提供してきたという自負があります。そこを評価していただいて、佐川急便さんなどから出資していただいたのかなと。

ここに肘を乗せるのがかっこいいポーズらしい

ANOBAKA:急激に採用しなきゃいけなくなったんですね。でも、採用のノウハウは無い…という状態で、どんな目線で採用していましたか?

松本さん:プロダクトに対する思いはもちろん、自分を成長させるための投資と思ってくれるかですね。どこのベンチャーも同じだと思いますが、受け身の感覚だと厳しいかなというのはあります。まだまだインフラに携わるベンチャーって少ない中で、物流はまだまだベンチャーが入り込める領域かなと思っていて、そこをアップデートすることで与えられる社会への大きなインパクトへのワクワク感を持ってくれるかどうかなど、そういったところも見たいですね。

ANOBAKA:2020年頃、人が増えた時期はちょうどコロナが蔓延し始めた時期とかぶっていると思いますが、働き方は基本リモートなのでしょうか。

CB広報:最初はリモートでしたが、現在は原則出社としています。

ANOBAKA:入社時からリモート勤務ですと既存のメンバーとなかなか親密になれないかなと思うんですけど、そういう意味で社内の環境はどう変化しましたか?

松本さん:難しいところはありましたね…社員の皆さんの努力でどうにか回していました。
PS(パートナーズサクセス)というお客さんとドライバーさんとやり取りするチームが東京と沖縄にあるんですが、そのチームは特に連携が大事なので、2つのチームそれぞれをスクリーンで映し出して同じ環境にいるように勤務する取り組みをしていました。

ANOBAKA:会社のバリューやミッションはどうやって浸透させていきましたか?

松本さん:随所で言い続けるしかないですね。朝会という週1のミーティングでも伝えるようにしています。

CB広報:リモートでも、各地からオンラインで揃うようにしていました。誰かが話している横でチャットが結構盛り上がっていましたね。

松本さん:そういうリモートならではのコミュニケーションはとり続けていましたが、やはりリアルに勝るものはないかなと思っています。
あと、社内のSlackに”いいねチャンネル”というのがあります。これはよかったね、というのを誰かが投稿したら、みんながスタンプを押して反応する文化があります。そのスタンプが会社の7つのバリューを表すものになっていて、そこは意識しながらやっていますね。

CB広報:これ超ムーブファストだね!みたいな感じでやっています。バリューを新しくしたのが2021年10月からです。そこで、社員にこういう風に仕事をしてほしいというのを示した「7バリューズ」というものを作りました。新しいものは、なかなか浸透しないので、こういったチャンネルを作ることで日々の行動が7バリューなのかそれぞれ落とし込めるような試みをしていいます。これでかなり浸透しました!

松本さん:他の人の行動でもそのひとにメンションをつけて誰かが投稿するので、その月で一番メンションもらった人は誰なのかも分かります。いいね(反応)が貯まると、ピアボーナスで山分けできるんですよ。月の総額は決まっていて、いいねの数で傾斜をかけて計算し、それが給与にプラスされる仕組みです。

ANOBAKA:営業成績とは違う測り方、珍しいですね!

松本さん:どれだけ”いいね”を貰えるかという測り方ですね。どれだけバリューを実現できているか。

CB広報:ここでこの事業部ではこういうことをやっているんだ、というのを知るチャンスにもなっていますね。

松本さん:組織開発的な側面もありますが、ドライバーさん達ってあまり褒められない人たちなんですよね。貨物を運んで当たり前と思われている。彼らも、アプリの中で今日この道混雑してたよ〜とか、ここのタワマン入り方複雑だよ〜とか投稿してくれて、みんながいいねをつけるみたいな文化をプロダクト内に作りたいと思っていて、まずは会社の中で試していたという側面もあります。会社の中では浸透しています。

ANOBAKA:実際に社員さんとドライバーさんとの距離も近いんですか?

松本さん:PSというチームは、24時間365日ドライバーさんからの問い合わせを電話とチャットで受け付ける部隊なんです。そこはドライバーさんが常時アクセスできるように作っております。以前はドライバーさんをお招きして表彰式を月1回やっていたんですけど、コロナで出来なくなっちゃって…残念ですね。もともと、僕の原点が運送事業なので、単にマッチングして配送してきてくださいっていう関係値というよりはどちらかというと一緒に業界を良くしていきたいよね、という思いでやっていますね。

CB広報:他の同じようなサービスはデジタルだけで終わってしまうものが多い中で、何か困ったことがあったらお話できるのがいいよねと言っていただけたりします。やっていることはマッチングなのでデジタルなものですけど、バランスがいいねって。

ANOBAKA:デジタルの中に人の心があるっていうのはいいですね!本社の場所を秋葉原にしたのは何か理由はあるのでしょうか?

松本さん:営業のために、山手線からアクセスしやすいところがいいなと思って探していたら、いい感じのところがここしかなかったんです(笑)。色々探したんですけど、ここが一番駅から近かったのと、お手洗いが男女別で綺麗だったので決めました。元は神田だったので、神田とか秋葉原とか東京の東側に思い入れがあるんですか?ってよく聞かれますけど、従業員のためを思ったらこうなりました。駅から遠いの、嫌じゃないですか!

ANOBAKA:完全同意です。これから伸ばしていくぞという時、どんな人材が欲しいですか?

松本さん:特に限定しておらず、新卒も中途も採用しています。エンジニアをもうちょっと増やしたいなっていうのはありますね。

ANOBAKA:7バリューズに近い考えをもともと持っている人がやはりいいのでしょうか?

松本さん:7バリューズの中に、自分が該当する要素ってありますか?というのは、面接の中で聞いていますね。特に、7バリューズのひとつ、”Think Big”(でかいことやろう)は重視していますね。この性質でいうと、難しい問題を解いた時の快感が好きな人とかはいいなと思います。社会的課題を解決するのって難しくて、突き詰めていくとボランティアになりがちなんですけど、それをビジネスにしようとするとただの金儲けになっていったり…バランスが難しいんですよね。そういった難しさが僕らがやっている領域にはあると思っていて。ただお客さんに売ればいいという形ではなく、僕らのところはドライバーさんもいてくれないと成り立たない。彼らに好きになってもらいながらも、お客さんにも好きになってもらうっていう、2倍の労力が求められる、それってめちゃくちゃ難しいことですよね。でも、難しいからこそ、時間をかけて解決することで世の中に根付いていくと思うんですよ。そしてこの難しさにチャレンジをすることが、自己の成長に大きく貢献すると思えるかどうかですね。

ANOBAKA:経営者として従業員の皆さんを見ている時にそう感じていますか?

松本さん:そうですね。客観的に見ても主観的に見てもそう感じます。
難しすぎて戸惑う時もあると思うんですけど、殻を破るっていうのはそういうことだと思うんですよね。難しいからこそ強力な助っ人が欲しいですね。そういう軸がないと、難しくて折れちゃうこともあると思います。

ANOBAKA:熱く共感しつつも、しっかり軸があって同じ方向を向いてくれる方が合いそうですね!最後に、今後の展望を教えてください。

松本さん:インフラビジネス、魅力がすごくあると思っています。インフラってインターネットに似てて、速度が速くなって、品質がよくなって、コストがリーズナブルでみんなが使えるようになっていって、色んなサービスができて世の中が豊かになったわけじゃないですか。物流もまだまだ速さ・品質・コストを追求できると思っています。それができれば、その上にいろんな人がサービスを作る。例えば出前館やUberEATSも物流のインフラの上に作られた新しいサービスですよね。それで社会がもっと豊かになっていくはずなので、そういうアップデートに貢献できるのが一つ魅力です。でもまだまだ達成感はないのでもっとインパクトのあることをやっていきたいです。
会社としては、運送に従事する方々の価値をあげたいです。それを達成するためには社内にいる人たちの価値をあげないといけないので、CBcloudに貢献することでその人の価値が上がっていく会社になっていければいいなと思いますね。

以上、CBcloud代表・松本さんにお話を伺いました!松本さん、ありがとうございました。

物流業界を変えたい!という思いがひしひしと伝わるインタビューでした。実は森、前職では貿易事務として物流にちょろっと携わっていたのですが、本当にアナログなんですよね…かなりDXしがいのある領域だろうなと個人的にも強く感じます。

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