NEWS

お知らせ

物流スタートアップの挑戦 part2 メルカリ/souco/CBcloudパネルディスカッション

2019.12.27

RSS

物流スタートアップの挑戦②
 
前回に続き、「物流スタートアップの挑戦」のパネルの続きとなります。
 
アライアンスとファイナンスの裏側
 
萩谷
CBcloudの場合連携とファイナンス両方の意味でソフトバンク、佐川急便さん、日本郵政キャピタルなどから大型の資金調達をしましたが、松本さんがどんどん事業会社と連携を進める中でスムーズに進めるポイントがあればお伺いしていいですか?
 

松本
我々はですね、幸いにもアライアンスに関してはすんなりいった印象が大きいですね。
というのも佐川急便さんは彼らのなかでで初のベンチャー出資だったのですが、日本の物流会社の社長さんはだいたい現場上がりの人がなるケースが多いです。運もご縁もあって社長さんと会えると我々のストーリーを話した時に彼らの方から何か一緒にやろう。業界を変えていこうと共感してもらえることが多かったです。その場で経営企画に電話して、CBcloudとやるからというようなパターンもありました。
物流の現場がブラックボックスの中でネットに出ていないような課題を感じて起業したというところをとても共感してくれました。あるあるじゃないですけど共通の課題を話すとこの人は仲間だと、この会社は物流を知っているぞとなったのが非常に大きいですね。ある種の競合優位性になりました。
 
 
萩谷
もともと提携案は佐川急便さんがこういったニーズがあるだろうっていうのをわかった上で営業をした感じですか?それとも話しながら営業をかけた感じですか?
 
松本
そうですね、社長が元ドライバーだったのでドライバーさんの環境や待遇の課題を変えたいというのは軸としてあったので、そこに則した僕たちのサービスにものすごい共感していただけたので、結果としてアライアンスが組めてそこが大きな目玉になっていますね。
 
萩谷
キーマンへのリーチは具体的にはどのように行なっていました?
 
松本
物流業界はウエットで村社会というところがあるので、全てのネットワークをうまく活かしてというのと、あとそれた話にはなってしまいますが肝臓を犠牲にして提携しました笑
ウエットの世界なので、こちらもウエットに徹底的になっていくことが大切と感じました。
 
萩谷
中原さんはいかがですか?
 

中原
ティアワンの人に会えたのは偶然なのですが、連携を増やせたのは物流不動産の成り立ちが関係しています。
昔はオーナーが立てて自分で運営だったのですが20年前に所有と運営が変わっていく流れがプロロジスによって起こされました。プロロジスさんはそのビジネスモデルがアメリカで適用できるとわかったので日本に参入して、インターチェンジが近いだけの畑に大型の倉庫を立てて、当時はこんなのうまくいくわけないというように言われていまして、物流会社が好きなところに倉庫を立てるのが当たり前という風潮だったんですね。
ですが結果として今の大型物流施設は50%以上70%近くが外資系が持っています。そういう状況を経験していたのでプロロジスさんやGLPさんと連携した点で、20年前と同じことが起こっていることを国内の大手にアピールして、物流業者さんを焦らせたというような形です。あえてそのように伝わるようなプレスリリースを書いてやっていました。そこはラッキーでしたし、実績重視という日本の大企業の文化の中で過去にやられてしまったということがトリガーになっていました。
松本さんの話の逆でいうと三年前からある物流会社と連携を考えていたのですが、NDAを一本結ぶのにも稟議が必要なような会社でした。
それがそれこそ話し始めて二ヶ月ぐらいですが、社長が変わってから一気にスムーズになりました。そのタイミングに差し込んでいくかが重要なので、社長が変わって実績を作りたいタイミングで彼らがやる気のある、今のうちにアライアンスを組まないと勝てないと思うのでまだ未発表なんですがプロダクトを開発しています。
 
萩谷
なるほどですね。では小野さんに移ります。
先ほどアライアンス周りの話があったと思うのですが
小野さんが意識しているスタートアップとして事業会社との組み方のポイントはありますか?
 

小野
セールス系でBizdevをやっている人にありがちなのが、上に行けば大丈夫っていうのがあると思うのですが先ほどお話がありましたが、大企業ならではのポジショニングだとか嫉妬の関係で結局何も動かないということがあります。僕個人的にはミドル層をどのように刺していくというのが大事だと思っています。スタートアップもファンドの規模が大きくなっていて社長さんとお会いできる機会もあると思うのですがそこで酒の席でやろうとなったとしても、止まることの方が多いと思うのですよ。だからいかにミドルの層を刺しに行くかが重要なんじゃないかというきはしています。
 
萩谷
実際に実行するミドル層も抑えていく必要があるということですよね。
中原さんはいかがですか?
 
中原
倉庫に関しては意外とトップダウンの世界かなと思ってますね。
倉庫の業界だと上が変わればミドル層が変わるかなと思います。
 
萩谷
あと聞きたかったこととしてスタートアップは代表がアライアンスをすることが多いですが、どのタイミングでアライアンスやBizdevのチームを作りますか
 
小野
メルカリだけで申し上げるとプロダクトができて一年は小泉さんが一人でやっていました。プロダクトができる前はパワポの資料だけ見てこれいいねで終わってしまうケースが多いので、プロダクトができてモメンタムがつくかつかないかで組織実装するとちょうどいいと思います。
僕が次に会社をやるとしたら自分でできてしまうのである程度までは自分でアライアンスを組みますが、ものができるタイミングがいいのではと思います。
周りのスタートアップのお手伝いもしているのですがやっぱりそういう形ですね。
レバレッジを聞かせるのが実際に動くものができてから。実際にモックを作ってからでもいいんですけどそこの域を脱せないんですよね。提案から先に進めるにはものがないといけないかなと思います
 
萩谷
Bizdevやアライアンス担当はどういう人を採用する必要があると思いますか?メルカリだとどのような方を採用しているのでしょうか?
 
小野
採用はめちゃめちゃ苦労しました。
来てほしい人という文脈だと業界とフェーズで全く違うと思うんですけど、一本何かしらで強みがある人がいいです
僕ならセールスとかもやっていたんですけどあくまでいわゆるビジネス開発を経営企画の中でやるとかアマゾンでプロダクト開発をやっていたなど自分の経験があれば、横にナレッジやスキルを展開できると思うんですよ。まず一つ極めるっていうのがいいんじゃないかと思います。
 
今回はここまでです!
次回は会場からの質問と物流マーケットの魅力についてです!
前回はこちら
 

ANOBAKAコミュニティに参加しませんか?

ANOBAKAから最新スタートアップ情報や
イベント情報をタイムリーにお届けします。