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新型コロナウィルスのスタートアップへの影響に関する調査

2020.2.28

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新型コロナウィルスの実体経済への影響が深刻になりつつあります。 

製造業やインバウンド・サービス業での影響についてはよくニュース等で予想されていますが、インターネットセクター、特にスタートアップ業界での影響や対応状況についてはあまりデータがないのではと思います。

現状把握のためにKVP投資先で最前線で経営をしている社長の皆様にアンケート調査にご協力して頂き、集計結果をまとめてみました。

お忙しい中協力くださったKVP投資先のみなさまありがとうございますm(_ _)m

回答社数は30社です。

では早速、リモートワークへの対応状況からみていきましょう。

Q1:社員のリモートワークへの対応状況をお選びください。

リモートワークを導入している会社が81%、平常通り出社の会社が19%という結果となりました。

多くのスタートアップはリモートワークを導入し、必要な社員の出社も最低限としている会社が多いです。

この点はスタートアップの柔軟さを活かしスピーディーにリモートワーク対応しているようです。ただ、今回リモートワークが長期化するとオペレーションやモチベーションの維持が懸念点という声があがりました。

続いては、事業への影響に対する質問です。

Q2:新型コロナウィルスの事業への影響をお選びください。

「むしろ、事業には追い風の影響あり」と答えた会社は16%、「影響なし、軽微な影響あり」と答えた会社が71%、「売上停滞など事業に重要な影響あり」と答えた会社が13%でした。

ほとんどの会社は事業への影響はでていないようですが、中には売上停滞等の重要な影響がでている会社もありました。

ただ、実際現場の肌感覚では軽微及び影響なしかむしろ追い風と回答しているのが87%となり、日本企業全般的な影響度と比べるとスタートアップ企業での影響がやや少ないのではないかなという印象です。

事業への影響を、B向け(法人向け)サービス、C向け(消費者向け)サービスとで比較した結果が下記のグラフとなります。

「売上停滞など事業に重要な影響あり」と答えた会社はB向けサービス、C向けサービスともに13%でしたが、「むしろ、事業には追い風の影響あり」と答えたC向けサービスが27%とB向けサービスと比較して8%高い結果となりました。

C向けサービスの中では、エンタメやオンラインショッピング、室内フィットネスなど、対面ではなく自宅で完結するサービスが多いことが要因だと感じています。

一方で、C向けサービスでも新型コロナウィルスの影響が長期化すると、サプライチェーンの影響、物流機能の麻痺、訪日観光客の減少を懸念するという声もありました。

B向けサービスでは、オフラインイベントの開催やイベント出展・協賛が中止となり営業リードの獲得に影響がでている、対面セールスができなくなり業種的にもオンランへの切り替えが難しいなどの声が聞かれました。

つづいては、国内の自粛モードに関してどう考えているかという質問。

Q3:国内の自粛モード(リモートワークの推奨、オンライン面会への切り替え、イベントの延期等)に関してどのように考えているかお選びください。

55%の会社が国内の自粛モードに関して「適切」、39%の会社が「やや過剰な自粛モードだと感じる」と回答しました。これについては皆さんの意見はやや分かれるようです。

個人で取れる対策、会社として取れる対策は全てやるべきであるが、感染を恐れるあまり多くの会社が事業を停止してしまうと、社会全体が回らなくなるので判断が難しいとの声も上がりました。

全体的に見るとネガティブな影響もありつつ、「長期的には市場の変化を強力に推進していくきっかけになり、戦い方次第ではプラスに活かしていくことも充分に可能だと考えている」「投資計画と資金調達計画を再設定しチャンスにしていきたい」「営業手法の代替案を試している」などの前向きな声も多く聞かれ、とても力強く感じました。

時代を大きく動かくすのは突然のブラック・スワンであることを改めて知らされた今回の新型コロナウイルス問題ですが、ダーウィンの言葉で『最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。』とあるようにKVPはじめスタートアップの若い経営者は今回の困難を柔軟に乗り切り、さらに力強く成長しようとしていますし、そうしていきたいと思っています。今回の調査ではそのような底力を感じました。

今後もシードに特化したベンチャーキャピタルとして有益な情報発信となればと思います。

KVPではオンラインでの壁打ちや投資検討も実施しておりますので、ご興味ある方はこちらからご連絡頂ければと思います。

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