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smaluna✖️NOIN✖️bloomee✖️スナックミー ファウンダーが語るPMFの瞬間

2021.5.24

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この記事は4月20日に行われた『PMFの瞬間』のイベントレポートとなっております。
登壇者は株式会社ネクイノ代表 石井健一氏、NOIN株式会社代表 渡部賢氏、
株式会社CrunchStyle代表 武井亮太氏、株式会社スナックミー代表 服部慎太郎氏、ANOBAKA代表 長野泰和となっております。PMFイベントはご好評につき150名以上の申し込みがありました。PMFに至ったスタートアップ4社の代表をお呼びしてANOBAKAとしてPMFまでの道のりや、ハードシングスについて迫りました!
※編集の都合上敬称は省略させていただいております。また編集の都合上、読みやすいように一部文章を改変しております。

登壇者紹介

⑴ピルの遠隔診察「スマルナ」 累計50万DL超え

⑵日本最大級のコスメEC「NOIN」
ファミリーマートのコスメブランド「sopo」発売後約3か月で店頭売り上げ30万本を突破

⑶10万世帯が利用するお花の定期便「bloomee」

(4)おやつの評価やリクエスト数は1,400万件超のおやつのサブスク「スナックミー」

1.「PMFした!」と思った瞬間

長野:「PMFとは何か」という定義は人によってもVCによっても違うし、各スタートアップ によっても違うと思います。PMFとは何かということと、「これがPMFだ!」と思った瞬間をぜひ皆さんに聞いていきたいと思います。まず武井さんお願いします。

武井:僕らがサービスをローンチしたのが2016年ぐらいで、丸5年ぐらいローンチから経っています。ローンチしてから1年くらいのタイミングでPMFを感じたなと思いました。その時は会員数1万人くらいで、ちょうどANOBAKAさんから出資していただいた頃だと思います。PMFしたと感じたのは、僕らのサービスはサブスクしかないのですが、定期的に月当たりのコンバージョンが半年ほど1000件以上積み上がってきた時でした。当時結構SNSで拡散されてそこからオーガニックで入ってくる方が多かったですね。その聞き込みのバイラル具合を見ていて、この市場で戦えるなと感じました。口コミの部分は定性的な部分かなと思います。コンスタントな月ごとのコンバージョンと累計のコンバージョン数を見ていてある程度PMFを感じました。

長野:月1,000コンバージョンあった時の会員数はどれくらいだったんですか。

武井:5~6千くらいでしたね。

長野:会員数が5~6千ぐらいの時にコンバージョンが月1,000ぐらいになってPMFが来たなと。月1,000のコンバージョンの流入経路はどのような感じだったのですか?

武井:クーポンコード経由でどこから入ったのか経路がある程度読めるんですけど、広告は行っていなかったので基本的に流入はオーガニックになる、その中でどのチャネルで分けると口コミは7割ぐらいでしたね。残りがメディアに取り上げられてっていう経路でした。

長野:サービス当初に月1,000ぐらいのコンバージョンって大変ですね。最初はイメージが付きづらいと思うんですけど、月1,000ぐらいのコンバージョンでPMFを感じたと。

武井:そうなりますね。

長野:月1,000ぐらいのコンバージョンと口コミからPMFを感じたということですね。

長野:服部さんのお話を聞いてもよろしいですか。

服部:僕らもローンチして5年くらいになります。成長の角度が大きくなった時にPMFを感じることって多いと思いますが、僕らは直線で伸びてきたの角度的にここだというものはあまりなかったですね。それ以外でPMFを実感したことは3回ほどありますが、一番最初は、プロダクトを作る前にFacebook広告を出した時に売れたので顧客からのニーズを感じたことでした。2回目はさらにその後広告を止めてみた後ですね。バイラルだけでユーザー数が増えてきて、ここでさらにニーズがあると実感しました。3回目は、これは定量的なものではないんですけど、ユーザー数が1,000も無いくらいのときに葉書とかが届き始めたんです。「このサービスで救われました。」とか。ユーザーからの声を聞けて自分たちのストーリーが刺さっているなと感じて、これはすごいサービスだ、これはいけるんじゃないかと思いました。その三つが自分たちを後押ししてくれたかなと。

長野:一番最初にアドで試してみたというのは、何を見ていたのですか。売れるかどうかだけを見ていたのか、CPIとか何かしらの指標があってアド回していたのか、どうなんでしょうか?

服部:まず売れるかどうかは見てました。今はD2Cとかやろうとしたら綺麗なクリエイティブが求められると思うんですが、iPhoneで撮った、加工もしていない写真で売れてしまったので、これはいけるんじゃないかと思いました。

長野:元々服部さんはDeNAの投資を担当していたので、テクノロジー系の投資家というイメージがありました。さらにローンチした当時はまだD2Cの走りの時期じゃないですか。そこでこのビジネスをチョイスするというのは自分にとって意外だったんですよね。なぜこの領域で戦おうと思ったんですか?

服部:その時は起業して半年ほど経っていたんです。当時はいろんな事業を検討していたんですけど、全部自分としてはそこまで欲しいものではなかったんですよね。ただこの事業のきっかけとしては、まず自分がお菓子を食べるのと、子供が生まれたタイミングでお菓子をいっそう手に取ることが多くなったことでした。でもコンビニに行っても良いお菓子が無いんですよね。その一方で青山のマルシェとかに行くととても面白くて。でもあまりマルシェとか行くような体験ってオンライン上では無いよなと。そういうところからこのサービスをしてみようかなと思いましたね。

長野:なるほど。ちなみにさっきの武井さんの定量的な先行版とは違って、そのユーザーの何か具体的な声を感じた話があったと思います。サービス自体のサブスクのお菓子などっていうコンセプトがユーザーに刺さったのか、それともお菓子のクオリティーがユーザーに評価されたのか、そういうユーザーのインサイトはどうだったのでしょうか?

服部:サブスクのサービスが良いっていう評価でしたね。「疲れたりとかメンタル的に厳しい時に商品が届いて、すごくハッピーになって頑張れました。」というユーザーの声を受けて、その方向に寄せていきましたね。

長野:なるほど。ありがとうございます。

長野:次は遠隔診療によるピルのサブスク事業スマルナを運営する石井さんの話をお聞きしたいと思います。実は石井さんに投資させていただいたのはもう四、五年ぐらい前ですよね。その時は全然違うコンセプトのサービスをしていたけど、あまりうまくいかなくて、ピボットして現在のネクイノがあると思います。過去のサービスはPMFに至らなかった点も含めてお話をしてもらってもよろしいですか。

石井:まず僕はまだPMFに至ったとは思っていないのが正直なところなんですね。PMFの「定義にもよると思うんですけど、僕らが扱うピルという商材はまだ社会実装されてないんです。昭和40年代にテレビとか、昭和50年代60年代の自動車とかを売っていたのと同じ感覚だと思っていて、マーケットのニーズまで僕らのプロダクトでキャッチアップできていなくて、ソリューションとしてレベルが整ってるかなぐらいですね。PMFしたかしてないかっていう言い方でいうと、まだ匂いがし始めたくらいです。もともとオンライン診察✖️ピルは重要なポートフォリオの一つだと考えていたんですけど、チームにピルのマーケティングができる人がいなかった。当時は社員が男だけだったので生物学的な女性の気持ちはわからない。先に感覚がわかる方向を考えると、ビジネスモデルでオンライン診察✖︎薬っていう領域で、AGA薄毛治療とかEDの領域から始める。しかし二つのサービスの両立は難しいから片方から攻めようということで資金調達したのが一番最初です。でもやっぱりやり方が下手くそだったのとインターネットに対するマーケティングの仕方もわからなかったので、うまくいかなかったりを経験する中で、いよいよ資金が枯渇してきたので本命のピルに行こうってなったのが2018年の6月なんです。会社の中のお金がもう50万しかない状態で新規事業を始めた初日に、PMFの匂いを感じた。釣りをしたことがある方はわかると思うんですけど、「引き」が違うんですよね。前は無理やり診察室の中に来て長いコミュニケーションしてやっとコンバージョンだったのが、入ってきた人がすぐに「下さい!」っていうような形になったんです。

長野:実際、AGAとピルのフィールドの違いって何だったんでしょうか?

石井:物理的に手に入るか否かだと思います。男性向けのAGAは町のクリニックで手に入るんですが、女性は普通の内科ではピルを手に入れることはできない。ピルを手に入れるには産婦人科やレディースクリニックっていうところに行かなければいけないという物理的なハードル、そこに行くことに対して心理的なハードルがあって、それがオンラインで置き換えられるということが大きなポイントだったと思います。僕は診察サービスに見えるんですけど、実は一番コアなものは相談サービスなんですよ。男性向けのサービスでは、自分が男性だから答えがわかると思って、リードのところで困っていても専門的にアプローチするということをやっていなかった。でも女性向けのサービは僕たちにはわからないから相談する仕組みをちゃんとしようということで、リードを作ったことが大きな違いかなと思います。

長野:ちなみにどこまで行けばPMFしたなと思いますか?

石井:今SNSの中でPMFの匂いがしてるシーンでいうと、誰かが「私生理つらいんだ」って書き込んだ時に、誰かが「スマルナあるよ!」って言ってくれることだけではPMFじゃないと思っていて、今これがもう出てこなくなったんですよ。例えば今、皆LINEとか使ってるときに不具合をわざわざSNS上で言ったりしないですよね。Facebookのメッセンジャーが遅いとかなら書くかもしれないけど、このスタンプ気に入らないとかはあげないですよね、SNSにメッセージが上がらなくなった時が、僕らの領域がPMFに入った瞬間かなと思いますね。

長野:この辺は服部さんの口コミみたいな話とも近いかもしれないですね。ではNOINの渡部さんお願いします。

渡部:僕はちゃんと検証して、あらかじめフィットするってわかったものをサービスとして作るタイプです。僕が一番最初に資金調達をした時に長野さんに何を話したかと言うと、化粧品のマーケットって綺麗に見えるけれどコンプレックスビジネスですという話をしました。メルカリで大量の化粧品が売られているんですよ。ここに新しいマーケットがあるという話をした記憶があります。当時InstagramアカウントでNOINを始めて、そこで様々なコンテンツを検証していく中で、コンプレックス関係のところが目立つと。あと、この化粧品がメルカリで売れていたのは、まだ当時地方ではトレンドのメイクが買えなかったからなんです。なので僕らが全商品を集めてあげれば良いというamazon的な発想ですよね、僕たちNOINが全ての化粧品を使うことができたら、シンプルに戦えるなと思いました。僕らも実はPMFを感じてるって言ったらどうなんですかね、もう一生感じることは無いと思ってるんですけど、あえて言うならば、資金調達でアプリを作った時ですかね。最初はECじゃなくて化粧品の価格比較みたいな感じだったんですけど、ローンチしたのが2017年10月。11月の時点でFacebookで広告出稿して、instagramのCPI28円ぐらいだったのは衝撃でした。※(Cost Per Install)

長野:instagramのアカウントしかなかったので、アプリに移植するという感じでしたね。結局アプリをローンチしてから一年で何ダウンロードぐらいでしたか?。

渡部:100万ダウンロードは超えてましたね。

長野:これは本当にすごかった。でもビジネス的にダウンロードだけではダメじゃないですか。やってみなければわからないと思いますし、コマースへの繋ぎその転換率がPMFだと思うんですけど、どうでしたか?どのように検証しましたか?

渡部:そこはこの後にくる「折れそうになった瞬間」で話しますので。

長野:ちょっと先走りすぎましたね(笑)では次の話に行きます。

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