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【ANOBAKA カンファレンスレポート第三弾】投資先パネルディスカッション

2020.12.29

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先輩起業家から見る成功する起業家のポイント


萩谷: なるほどなるほど。ありがとうございます。

そうですね。いま成功要因とか色々聞いてきたっていうところでちょっと質問を変えますね。

みなさんANOBAKAの投資先の中でも、本当に何もないところから立ち上がってきた起業家で、いますごく大きくなられていて。そういった先輩起業家から見る成功する起業家のポイントっていうところを聞いてみたいなと。

今度は逆で石井さんから伺っていいですか。

ネクストイノベーションの石井さん


石井: 自分がまだ成功域に行ってないので、こうすると成功するよっていうのは言えないのですが、僕が意識していることだけはお伝えできるかと思うんですけど。


僕、人からもらったアドバイスはやるんですよ。ほぼ必ずやりますやらない理由を探さないっていうのを決めていて。特に少し前を走っている人とか経験を持っている人のアイディアっていうのは基本一旦全部受け入れる。

ドラクエ世代なのでドラクエの攻略本だと思っていて。攻略本に書いてあることっていうのはとりあえずやってみたら早く行けるんですよね。だから基本的に「それうちの会社に合わねーなー」とか「いやちょっとそれは違いますよ」っていうような形を少なくともまず相手に返さないし。言われたことはやってみるというのはこだわっていて。

その回数、PDCA回す回数で勝負するっていうのがすごく大事にしています。


萩谷: なるほどなるほど。


石井: 言われたら全部やる


萩谷: そういう先輩たちの情報だったりとか成功事例・失敗事例みたいな部分はどういうふうにキャッチアップしていったんですか?


石井: 大阪って今でこそスタートアップ環境ってあるんですけど、3年前、4年前ってほんと数を数えられるくらいだったんですね。IT系のスタートアップって数が少なくて。だから、僕らは東京に出てきて、当時KVPのみなさんのイベントに出ると「初めまして、大阪の石井です」みたいな感じでご挨拶できたケースがあったと思うんですよ。

それこそファイナンス用語も知らないような状態で、バリュエーションとかっていう会話をしながらコミュニケーションさせていただいて教えてもらったりとか。あとはVCさん結構多くて。さっきも控え室で喋ってたんですけど、絶対成功するパターンは分からなくてもやっちゃダメなパターンってVCさん結構知ってるよねって。

だからそういう風なのを取り込みながらサービスの中に繋げていったっていうのはこだわってました。


萩谷: なるほど、確かに。石井さんは起業家のコミュニティにもしっかりとネットワークを持って、どんどん投資家からいろんなことをキャッチアップして、試してみます試してみますってよく定例でディスカッションしてましたよね。そこの柔軟性というかキャッチアップして試してみるというところがポイントですかね。


石井: そう思います。会社の中でもそうなんですけど、「これ良いと思いますよ」って言われて「アカン」ってなってたら次言ってこないじゃないですか。たぶん何打数一安打の世界なんですよ。でしょ?アドバイスとかって。打席に立つ方が大事だと思っているんですよ。全部聞かないと次言ってくれないからやってみるというのを大事にしてます。


萩谷: なるほど。でも、ある程度は頑固というか、自分の意思みたいなのももちろん大事じゃないですか、起業家は。


石井: あるある。さっきの松本さんの話に近くて。例えば、利益率上がるからこうしたら良いよって。うちで言うとね、薬は国内の使わないで海外から仕入れてきたら、めっちゃ利益率上がるんですよ。安いから。だけど、そういうのは絶対やらないみたいなところは譲らないんですけど。そういうところは大事にしています。


萩谷: なるほど、コンセプトというかやりたいことにずれないことだったら試してみると。分かりました。ありがとうございます。

では、次我妻さんお願いします。


我妻: 僕まだ成功してないのであんまり変わらないんですけど。なんで僕に出資してくれたのかなとかたまにいいねって言ってもらえるような切り口で言うと、二つあるかなと思っていて。


一つはやっぱり”Why you?“なんですよね。僕は建設業、まあゼネコンにいて工事会社10年やって、職人と工事会社のマッチングアプリ作りますって言ったら、おーってなるじゃないですか。コスメの比較サイトを作りますってなったら、なんでやねんってなるじゃないですか。42歳のおじさんが。

入り口が大事だなと思っていて、そこが一個あるかなって思っています。だから、自分の得意な領域で攻めた方がいいんじゃないかと思います。


もう一個はやっぱり巻き込み力。さっきの話続きますけど。僕が特に気にしているのはアライアンスにしてもそうですけど、そのほかでも採用と資金調達に関しては結構背伸びするっていうのを意識しているんですよね。

シードの時も次のシリーズAの人に全然会いに行ってて、「アプリない」って言ったら「はぁ」みたいな感じでも意外と話聞いてくれるんですよね。「もう1年後来てよ」みたいな感じで。シリーズBとかなったらもう機関投資家とかに会いに行っていたので。そういうことをすると次のラウンドにもつながりますし。

採用もこんなやつとって大丈夫かみたいなやつをびびっているんですけど、「来たいなら来いよ」くらいの感じで採用していくと、だんだん自分の中のビビリ値が超えていくんですよね。投資家の面談とか採用とかも。

いつも背伸びしてやるっていうのは採用とファイナンスは意識してやってましたね。


萩谷: なるほどなるほど。


我妻: それができる図太い心臓ってのは必要。


萩谷: そういう巻き込み力とかそういう背伸びみたいな部分は生まれ持った物ということなんですかね。後天的な物なんでしょうか。どうですか?


我妻: 生まれつき若干KYなところがあるって言われますけど(笑)。


萩谷: 言われます?(笑)


我妻: 言われますけど(笑)。目線が下がらないように、「迷った時ほど遠くを見よ」じゃないですけど。そういうことするとできるようになるかなと思います。最初は採用の時でも「うおっ、すごい人」と思っても、俺が実現すること考えたらこれぐらいの人いなかったら全然無理かなーみたいな感じでいくと。


萩谷: 出資させていただいてから目線は変わらないですけど、事業自体がより具体化していって、目線がさらに上がって行っているという感じがしますね。


我妻: 正直シリーズAくらいまでは建設業に20年いましたけど、周りの人も誰も「絶対助太刀なんか使わない」って言われましたし。「今までこれで50年間建設業やってきているんだからいらない」と言われましたから。

僕自身も半分は1/3くらいはイノベーションはそういうもんだろうと思っていたけど、2/3くらいは本当に誰も使ってくれなかったらどうするかなっていう不安はあったんで。


萩谷: そうですね。しっかりマーケを踏みながら、コミュニティも作ってそこに刺さるというのを証明してきましたよね。


石井: 横入りいいですか?
石井: 今の僕デジャブで。うちの最初やった失敗サービスの男性向けって言ったんですけど、実はその後花粉症やったんですよね。


萩谷: やってましたね(笑)。


石井: 花粉症オンライン診察サービスを当時周りの人に言ったらほぼ全員「最高!絶対売れる!」だったんですよ。で、調子に乗ってサービス出したらフルボッコでした。でもピルやるって言った時はほぼ全員「無理」だったんですよ。

ほんで、無理な理由を聞いていったら、「できるやんできるやん」と思ってやっていったんで多分そういうことなんですよね。


我妻: そうかもしんないですね。


石井: みんなができるできるって思えば思うほど多分うまくいかなくなる。やっぱり起業家サイドにしか見えていない世界が絶対あって。普通の人が無理って言っているレベルの方が多分尖れるし、走れるんじゃないかなとすごく最近思います。


我妻: さっきの再現性の話も同じかもしれないですね。ビジネスは再現性がないといけないって言われますけど、それ言っていると新しいモノはできないですからね。


石井: ごめんなさい、横入っちゃって。


我妻: あー、いえいえありがとうございます。


萩谷: ありがとうございます。じゃあ、松本さんも。


松本: えーっと質問は。


萩谷: 成功する起業家のポイントはですね。


松本: 僕もまだ成功したとは言えないのでまだ。心掛けていることになりますけど。

うちもやっぱりアライアンス多いんですけど、そういう企業を巻き込めたところでいくと。起業家は負けず嫌いなのであまり言えないと思うんですけど、できないことはできませんって言うことなのかなと思っていますね

そうしないと助ける気にならない。全部できますって言われたら「こいつなんで助けなきゃいけないんだ」って話にたぶん相手はなるので。まあそれは採用でも一緒ですね。「僕はこの領域できるんですけど、この領域はできないので助けてくれますか」っていうお話させていただく中で優秀な方々が来てくださったのは一つ巻き込み力ってところで大事かなというふうに思って心がけています。

CBcloudの松本さん


松本: 二つ目はうちの会社のバリューに”Think Big”ってあるんですね。必ずでかいことをやろうよっていう。これ僕自身も会社の中でそういうバリューを決めながらも体感したことがあって。

10月から新しい期が始まったんですけど、これだとここ数年で三桁億円の売り上げ立てられるなっていう絵をちゃんと描けたんですね。最近なんですけどとある方にお会いした時、「松本さん、四桁億円はどうやって作るんですか?」って言われたんですよね。

「あー、こういうことか」と思ってそこからは本当にその言葉を受けたからずっと四桁億を作るにはどうするんだというのを考えさせられる日々で。

短期的な売り上げとか目標を追ってしまっていると、短視眼的になっちゃうのでどっかのタイミング、要所要所で遠くを見る。壁打ち相手たちとかそう言った人とお話しできているという状況を自ら作るっていうのも大事なのかなというふうに思いましたね。


最後にこれも僕らのバリューにある”And have fun”。七個くらいあるバリューの七つ目は”And have fun”なんですね。そして楽しもうっていう話なんですけど。いろんな情報を頭の中に入れておかないと判断できない

ベンチャーはたぶんスピードとタイミングがものすごく重要だと思っていて。そのタイミングっていうところで意思決定するためにはいろんな情報を持っていないといけない仕事以外の楽しみもちゃんとやる。そうすることで、仕事をしない中で関われる人と話もできるし、その人たちがどういうふうに考えているのかも自分の頭の中に入ってくるので。そういう楽しむっていうことが大事になってくる。

僕は趣味飲み会って書いてましたけど(笑)。忙しくなってくると、「この人と行っても得るもの何もないかもな」って一瞬思っちゃうことあるんですよ。それでも必ず行きます。何か楽しいことあるかも、それか楽しくすればいいじゃんって思って、二日酔いでキツくても行くんですけど(笑)。

いろんな人と会話するとかいろんな属性の人たちと会話することが大事だなと思っています。


萩谷: 業界、物流とかだったりネットワーク多いと思うんですけどそれ以外のところも結構コミュニティとして意識しているんですか。


松本: そうですね。誘われたら全部行きますね。


萩谷: あ、そうですか。確かに松本さん変わっていきましたよね。昔はそういった場に足運ぶ感じではなかったですよね。


松本: 大勢は今でも苦手なんですけど(苦笑)。狭く深くというか誘われたら。未来は予想できないので、必ず何か得るものがあると確信して行ってますね。


萩谷: また二個目で目線あげてくれるという部分で気づきがあったというところがあったと思うんですけど、メンターって起業家の方は大事なのかなとか思ったりするんですけど、その辺みなさんいらっしゃったりするもんなんですか?


我妻: メンターですか。僕はやっぱ萩谷さんですかね。


萩谷: いやいやいやそういうフリじゃ全くないんですけど(爆笑)。


石井: いやー、僕も萩谷さんですね。


萩谷: ほんとすみません(笑)。やめましょう(笑)。


松本: 僕も萩谷さんです。


萩谷: 投資先みんな笑っているんでほんとにやめましょう(笑)。

真面目なところで我妻さんとかどうなんですか?


我妻: 真面目に言えば、うちは田島さん(ジェネシアベンチャーズ)でしょうね。


萩谷: 田島さんはそうですよね。ずっとシードから入ってもらっていて。

石井さんとかはどうですか?


石井: 僕は一人というか喋る相手は全てメンターだと思っているので、基本的に全部持って帰りますっていうのが多いです。


萩谷: そうですか。


石井: あと強いて言うなら、今生きてない人僕好きなんですよ。歴史が好きで。明智光秀好きなんですけど。


我妻: 裏切り者じゃないですか(笑)。


石井: いやそれは違って明智光秀はやってない(笑)。まあいいや、その話すると長くなるんですけど。


萩谷: その話はなしで(笑)。


石井: 昔、武田信玄だったらこうするよなとか、劉備だったらこうするよなみたいなものは結構好きです。


萩谷: うんうんうん。確かに歴史もいっぱい失敗事例とか詰まっているんですよね。


石井: そうそう。

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